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社団法人日本映画社、1冊

ヤケ　シミ　傷み　背破れ　汚れ

昭16、26、1冊

映画国策ノ中樞機関タル社団法人日本映画社ノ機能ヲ中外ニ宣揚セントコノ会社ヲ起業シ、映画ノ焼付現像録音ヲ主タル事業トスル。目論見書の会社名、役員名は空白。

製作：東宝文化映画部ほか

以下の五冊＋写真二枚の一括。

①東宝文化映画部『旅客機Ｍ・Ｃ二〇型』脚本一冊（昭１６年頃）
菊判、７５丁。後半部に絵コンテ入。表紙改装、本文複数の小穴、１丁破れ補修、表紙に「カノ」の個人印有（日映・加納竜一か）。
本品にクレジットは無いが、竹内博他編『完全・増補版円谷英二の映像世界』によれば、本作の特殊技術は円谷英二が担当。

②陸軍航空本部『［秘］陸軍航空事故防止教育映画整備篇（脚本）』一冊（昭２０年頃）
Ａ５判、１５８Ｐ＋附図２７Ｐ。背に書込、表紙に「日映・加納用」の記名有。

③社団法人日本映画社文化映画製作局『日本本土を狙ふもの（“大陸航空戦”改題）シナリオ第二稿』一冊（昭１９年頃）
菊判、１０１Ｐ、紐綴。表紙に個人印有。

④『大陸航空戦　線画原案（附図）』一冊
Ａ４変横判、３６枚、紐綴。表紙に個人印有。

⑤『大陸航空戦　改訂プラン』一冊
菊判、１９Ｐ＋Ａ４変横判の線画９枚。綴穴、表紙に記名有。

⑥『大陸航空戦』で使用したと思しきミニチュアセットのスチール写真二枚
各１２×１６ｃｍ。ミニチュアの戦闘機航空連帯が日本の上空を飛行する場面を捉えたもの。各裏面に剥がし跡有。

●⑥以外は全て孔版刷の資料で、何れも少イタミもしくは湿気シミ有。①と⑥を除き書入多数有。③と④は綴紐を新しいものに交換済。
①を製作した「東宝文化映画部」は、昭和１６年に日本ニュース映画社に吸収合併され、③～⑥に関連する「社団法人日本映画社」へ改組する。前掲書をはじめ「円谷英二」に関する諸文献によれば、この時期の円谷は陸海軍の嘱託となり、昭和１９年に東宝が設置した「航空教育資料製作所・第二工場」の責任者として「軍事教材映画」を製作していた。
これらの映画は社内でも当事者以外は存在すら知らない「極秘」で製作され、終戦後にフィルム、スチール写真、シナリオ等の証拠類は全て焼却したという。

★画像は弊舎HPでご覧いただけます