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編：満拓会、満拓会、昭和 60年(1985年) 初版、363 p モノクロ口絵：2頁 絶版、サイズ(･･･

本冊に納めたものは、前冊(満拓会誌第四集)に引きつづき、かつて若かりし日私達が体験したあの曠野の生と死との実録であります。二冊をあわせて八十五名の方々から血涙の滲む貴重な執筆を頂戴いたしました。これを読んだある新聞記者は、「皆さん、文章は上手な方ばかりとは言いかねますが、この記録集の一篇一篇には実体験者だけが書きうる、内からほとばしり出るものがあって、その迫力が読者の胸を打つのですね」と語っていました。まったくその通りで、これを逆に言えば、執筆者の皆さんは、これで胸のつかえをすっかり吐き出した壮快さを味わっているのではないかと思います。執筆者だけではなく、会員の皆さんも同じ思いだろうと思います。それぞれ多少の差こそあれ、同じ苦しみと屈辱を経験して来た方々ばかりですから。私は、会員の皆さんとこの特集の完結と出来栄えを喜びたいと思います。この特集の完結によって戦争とは何であったか、満洲開拓とはどんなことであったか、その歴史的意義、さらには生とは、死とは何であるかを世に問 い、また、次の世代にも考えて貰う拠となしえたと思うからです。　―はじめに　より