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Peter　Firman、Andre Deutsch,London、85年

ハ―ドカバー　40P　天地13㎝×左右17.3㎝ほど　こぶりの絵本。全見開き、右ページはカラー画。

居間の棚の上にある小さな陶器の家に、小さな木製の人形が住んでいます。その人形の名前はピニーです。「ピニー・シリーズ」は人気で、5冊は出版されているようです。/

小さな木製の船乗りが、小さな木製の帆船に座っていました。彼は世界一小さい船乗りで、名前はビクターといいました。棚の上の帆船の隣には、小さな陶磁器の家がありました。ビクターはさびしかったので、その家に誰かが住んでくれたらと願っていました。カブトムシが家に入ってきました。ビクターは「家は空っぽです。よろしかったら住んでいいですよ」と言いましたが、カブトムシは出ていってしまいました。次には蜘蛛が窓から入ってきました。彼女は家のなかに巣を張って粘りましたが、獲物が来なかったので立ち去りました。/

居間で遊んでいた小さな女の子ジョーが、ある日、もう一つの人形を棚に置きました。「私の名前はペグといって行商人の人形です。私のトレイの上にあるものを見てみてください。何か買いたいものはありますか」とペグ。トレイには小さな本、指抜き、ピンの束、そして、小さな木製の人形がありました。ビクターが綿で縛られていた人形の結び目をとくと、人形は起き上がりました。「陶器の家に住んでみたい？」と聞くと「お願いします」と人形は答えました。行商人人形のペグは不機嫌に「ピニーは大切な人形よ。お金を払って買う必要があるわ」と。でも、ビクターにはお金がありません。ビクターはピニーと交換できるものを探して、あたりを見回しました。クッションの後ろをのぞきこんで綿毛と曲がったヘアピンを見つけましたが、ピニーには不釣り合い。ビクターは床を見て、床板の間に何か光るものを見つけて取り出しました。それは、ダイヤモンドの指輪でした。ペグに指環を渡すと喜んでピニーをトレイから降りさせました。ビクターはピニーに陶磁器の家を見せました。「なんて素敵な家なの」とピニーは言いました。「でも、蜘蛛の巣がいっぱいね」と。「すぐに片付けますよ」とビクターは言いました。ほこりを払い、掃除をして、小さな陶器の家はきれいになりました。そこがピニーの家になりました。