「西南役伝説 <講談社文芸文庫>」の検索結果

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３刷　 カバー　 帯付　カバーヤケ無　帯ヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好の極微本です。
著者は水俣病を扱った作品が有名です。文壇では人権派的な位置付けからかつて色んなメディアでコメントや発言を求められていました。本作においても激戦だった西南の役当時、生活圏で起きた出来事を農民などの目線から丁寧に口伝を集めています。貴重な遺聞集でしょう。残念な点は著者がのちに全集の後書きで吐露しているように本作中の「拾遺一　六道御前」と「拾遺二　草文」の二篇は「まるまるのフィクション」とのこと。著者によれば、「当時水俣病のことに深入りしている間に、話を聞きにゆくつもりだった古老たちがなくなってしまわれ、本にするときに、これまで書き溜めたものだけではいかにも薄すぎるので、フィクションを二篇書き足した」そうです。貴重な遺実を読み進めた読者や研究者にとってこれはあまりに愕然とする告白です。某新聞もびっくりの創作ぶりですが、人権を守るという目的が手段化してしまうのは似ているなあと思ってしまいます。