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第三回 竹内栖鳳展
<栖鳳の学びしもの〉開催にあたって
竹内栖鳳は伝統的な四条派の絵から出発して、日本画近代化の先駆をなした巨匠画家で
すが、彼の残した大量の資料からは、自分の画業を進めていくにあたって、いろいろなも
のに興味を向け、それを消化吸収し、己のものとして構築していったことがうかがえます。
今回は、〈栖鳳の学びしもの〉と題して、特に楳嶺塾及び一九〇〇年のパリ万博視察旅行
を中心に展示を行いました。楳嶺塾では伝統的な四条派を学びながらも、やがて鶴派と呼
ばれる絵を描くように、古画の模写や、他派の絵画も多く学んでいます。また一九〇〇年
のパリ万博視察旅行は、約七ヶ月にわたってヨーロッパ各地を巡る旅行であり、それまで
の棲鳳という画家としての号を栖鳳と改めているところからも、そのカルチャーショック
の大きさをうかがい知ることができます。
以上のようなことを本展を通してご高覧いただければ幸いです。
末文ではありますが、本展開催にあたり、ご指導、ご協力いただきました諸先生・関係
の皆様に深く感謝の意を表します。
一九八九年十月七日
王舍城美術寶物館
会期: 平成元年10月7日～11月19日王舎城美術寳物館
カバー　正誤表　状態良好です。