「郡山城下町紺屋町・新紺屋町地区発掘調査報告書 <大和郡山市文化財調査概要 38>」の検索結果

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Ⅰ 調査の契機および経過
今回の発掘調査は、 平成4年(1992) から開始されている 「都市計画街路事業藺町線道路改良事業」
に伴って実施されたものである。 調査対象地は、大和郡山市旧市街地内では最も交通量の多い地域であ
り、また住民が実際に居住している地域でもあるので、調査は道路拡幅部分にあたる家屋の解体・改築
および道路面の改良工事を経た後に実施することになった。 また、現住の市民や通行者の生活環境に直
に影響を及ぼす発掘調査となるため、 調査面積は最小限度に止めざるを得なかった。 しかし事実上発掘
調査が困難な地区において、部分的にせよ細密な地下調査を実施し得たことは事業担当課の努力なしに
は不可能であり、このことは高く評価されねばなるまい。増強く
発掘調査は、平成10年(1998)3月10日から同年5月16日まで、年度の更改時期に1週間程度の中断
をはさんで実施した。近世遺跡では、通常は遺構面が数面確認されるが、今回の調査においても1つの
トレンチにおいてそれぞれ3面程度の遺構面が確認された。このため、実際の調査は1つのトレンチで
ある時期の遺構面を実測図化する間に、作業員は他の複数のトレンチを掘り下げるという手法で行った。
また、重機の使用は道路舗装面やそれに伴う盛士に限り、その他は人力で掘削することによって厳密な
層序発掘を心掛けた