「音のささやき」の検索結果

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武田 泰淳、芳賀書店、昭和 46年(1971年) 初版、429 p 絶版、サイズ(cm): 19 ･･･

『私にとっては「揚子江のほとり」とは「中国のほとり」にほかならない。私は、たえず中国のほとりにたたずんでいただけで決してそのなかに溶けこみも沈みこみもしなかった。そのようなことが出来るはずはなｋった。日本国内にあっても、長江の流れは、絶えず音たてて、私の耳を騒がせた。そのような息苦しい、しかし、懐かしい水音のささやきから、私はのがれることが出来なかった。中国を訪問するたびに、私はそこからはじきとばされる自分を感じた。しかしながら、中国を離れるたびに、私は自分をひきよせる宿命的な磁力を感じた。』―あとがきより　目次：中国で考えたこと(十六年目の中国 / 一兵士として行った中国 / 戦後、二度目の中国) / 中国の文学(巨大な統一と分散が生んだ大きな男たち / 政治悪の教科書としての三国志 / 曹操と赤壁の戦い / 『紅楼夢』をめぐって / 日中戦争前夜の中国文学 / 内戦下の中国文学の命運 / ほか) / 日本と中国(中国と日本 / 湘江、ゆったり流れ)