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1,428件

情報の世界史: 外国との事業情報の伝達 1815-1875

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
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セイヤ-リータ・ラークソ著 玉木俊明訳、知泉書館、2014/05/15、576p、菊判
19世紀の事業通信はいかなる経緯で時間を短縮できたのか。本書は大西洋からカリブ海,アジアやオーストラリアにまで広がる世界的な規模にわたって,封筒の消印や海上保険のロイズが発行する「ロイズリスト」など,膨大な資料を駆使しながら,郵便を中心とする19世紀の情報伝達の発展を詳細に考察した画期的な業績である。
著者は「連続する情報の循環」を基本概念として分析する。それは大西洋においてヨーロッパとアメリカ間の往復航海を1回の情報の循環と見なす。この循環を短縮するために,船から船への積み替え期間の短縮をはじめ,不規則な航海ではなく「時間通りに運行する」という理念が,事業情報の伝達の発展にとって最も重要な条件であった。地域間通信は,船舶の技術的発展と商業的なニーズに依存しつつ,19世紀の世界は縮小していった。
19世紀ヨーロッパは帝国主義の時代であり,対外拡張の時代であった。ヨーロッパは工業製品だけでなく,海運業の発達によっても世界を制覇し,その中心にイギリス帝国があった。本書は経済史の分野に限らず,イギリス帝国史やヨーロッパの帝国主義研究にとっても必読文献となろう。
世界がネットワークとして結ばれはじめる19世紀の海運と電信の発達は,情報化時代を生きるわれわれにも,多くの知見と示唆を与えよう。

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9,900
セイヤ-リータ・ラークソ著 玉木俊明訳 、知泉書館 、2014/05/15 、576p 、菊判
19世紀の事業通信はいかなる経緯で時間を短縮できたのか。本書は大西洋からカリブ海,アジアやオーストラリアにまで広がる世界的な規模にわたって,封筒の消印や海上保険のロイズが発行する「ロイズリスト」など,膨大な資料を駆使しながら,郵便を中心とする19世紀の情報伝達の発展を詳細に考察した画期的な業績である。 著者は「連続する情報の循環」を基本概念として分析する。それは大西洋においてヨーロッパとアメリカ間の往復航海を1回の情報の循環と見なす。この循環を短縮するために,船から船への積み替え期間の短縮をはじめ,不規則な航海ではなく「時間通りに運行する」という理念が,事業情報の伝達の発展にとって最も重要な条件であった。地域間通信は,船舶の技術的発展と商業的なニーズに依存しつつ,19世紀の世界は縮小していった。 19世紀ヨーロッパは帝国主義の時代であり,対外拡張の時代であった。ヨーロッパは工業製品だけでなく,海運業の発達によっても世界を制覇し,その中心にイギリス帝国があった。本書は経済史の分野に限らず,イギリス帝国史やヨーロッパの帝国主義研究にとっても必読文献となろう。 世界がネットワークとして結ばれはじめる19世紀の海運と電信の発達は,情報化時代を生きるわれわれにも,多くの知見と示唆を与えよう。 納入までに3週間ほどかかります。

極値問題の理論

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
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A.D.イオッフェ(著), V.M.ティコミロフ(著), 細矢祐誉(訳), 虞朝聞(訳)、知泉書館、・・・
大学院生や最適化問題に関心をもつ研究者に対し,極値問題を三つの観点から統一的に概説した定評の教科書。即ち極値理論の数学的基礎の問題,極値の必要条件,そして解の存在問題を扱う。本書全体を完全に理解するには関数解析の知識が必要だが,多くの内容はより広範囲の読者を対象にしており,最重要な多数の定理は,証明に必要な理解に比べてはるかに少ない数学的素養でその形式を使いこなせるよう教育的に配慮されている。

本書は,バナッハ空間における微分法と凸解析を基礎に,最適性の必要条件の一般原理であるラグランジュの原理を定式化する。最初の六つの章と第10章は極値理論の基礎と最適性の必要条件を扱い,ことに10章では自然科学,工学,経済学,幾何学,解析学,近似理論に登場する異なる極値問題を統一的な手法で考察する。残りの章では,最適性の十分条件と解の存在,凸解析の展開を考察する。

特に17世紀にベルヌーイが開発した変分法は物理学や力学などに貢献したが,第二次世界大戦直前から経済学や工学により提起された問題から,フォン・ノイマンやカントロビッチらにより数理経済学の基礎が作られ,ゲーム理論,数理計画法,ORなどが誕生し,さらに産業・技術活動を制御する最適制御理論へと展開した。今後,数理科学の主要な分析手法の基礎文献として必読書となろう。

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9,900
A.D.イオッフェ(著), V.M.ティコミロフ(著), 細矢祐誉(訳), 虞朝聞(訳) 、知泉書館 、2017/03/15 、632p 、菊判
大学院生や最適化問題に関心をもつ研究者に対し,極値問題を三つの観点から統一的に概説した定評の教科書。即ち極値理論の数学的基礎の問題,極値の必要条件,そして解の存在問題を扱う。本書全体を完全に理解するには関数解析の知識が必要だが,多くの内容はより広範囲の読者を対象にしており,最重要な多数の定理は,証明に必要な理解に比べてはるかに少ない数学的素養でその形式を使いこなせるよう教育的に配慮されている。 本書は,バナッハ空間における微分法と凸解析を基礎に,最適性の必要条件の一般原理であるラグランジュの原理を定式化する。最初の六つの章と第10章は極値理論の基礎と最適性の必要条件を扱い,ことに10章では自然科学,工学,経済学,幾何学,解析学,近似理論に登場する異なる極値問題を統一的な手法で考察する。残りの章では,最適性の十分条件と解の存在,凸解析の展開を考察する。 特に17世紀にベルヌーイが開発した変分法は物理学や力学などに貢献したが,第二次世界大戦直前から経済学や工学により提起された問題から,フォン・ノイマンやカントロビッチらにより数理経済学の基礎が作られ,ゲーム理論,数理計画法,ORなどが誕生し,さらに産業・技術活動を制御する最適制御理論へと展開した。今後,数理科学の主要な分析手法の基礎文献として必読書となろう。 納入までに3週間ほどかかります。

クザーヌスの思索のプリズム 中世末期の現実を超克する試み

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
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八巻 和彦 著、知泉書館、2019/11/20、744p、菊判
クザーヌス(1401-64)は,生涯カトリック教会の枢機卿や司教,さらには教皇代理として活動しつつ,旅の最中に多くの著作を残した。彼の著作は写本から印刷本としてヨーロッパに広まり,その影響はブルーノをはじめコペルニクス,ケプラー,ライプニッツ,カント,ヤコービ,ハーマン,ダン,レッシングなど思想家から文学者まで多くの人びとに及んだ。

Ⅰ部で著者は,クザーヌスを中世末期の人物として捉え,その多面的な活動について考察する。

Ⅱ部では,クザーヌスの主体性論と近代の主体性概念との違いを検討し,彼の主体性が二重構造をもち,彼が人間精神の能力を高く評価していることを解明する。

Ⅲ部では,彼の認識論は神をいかに把握されうるかにあり,人間の認識能力は本質的に限界があり,絶対的存在からの助力を必要とする。さらに認識対象への接近方法として,表象力,比喩,象徴が強調される。

Ⅳ部では,世界はいかなる根拠で存在するかが問われ,「世界とは神の現れである」ことが明らかにされる。

Ⅴ部では,クザーヌスが教会のあり方をも相対化して他の宗教に対する寛容を説いた事情を明らかにする。

Ⅵ部では,愚者とか無学者を意味するイディオータが弁論家や哲学者との対話により,立場が逆転する姿を通して思想家クザーヌスの本質を見出す。

世界的にクザーヌスへの関心が広がる中,本書は半世紀に及ぶ研究の集大成であり必読の基本文献となろう。

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八巻 和彦 著 、知泉書館 、2019/11/20 、744p 、菊判
クザーヌス(1401-64)は,生涯カトリック教会の枢機卿や司教,さらには教皇代理として活動しつつ,旅の最中に多くの著作を残した。彼の著作は写本から印刷本としてヨーロッパに広まり,その影響はブルーノをはじめコペルニクス,ケプラー,ライプニッツ,カント,ヤコービ,ハーマン,ダン,レッシングなど思想家から文学者まで多くの人びとに及んだ。 Ⅰ部で著者は,クザーヌスを中世末期の人物として捉え,その多面的な活動について考察する。 Ⅱ部では,クザーヌスの主体性論と近代の主体性概念との違いを検討し,彼の主体性が二重構造をもち,彼が人間精神の能力を高く評価していることを解明する。 Ⅲ部では,彼の認識論は神をいかに把握されうるかにあり,人間の認識能力は本質的に限界があり,絶対的存在からの助力を必要とする。さらに認識対象への接近方法として,表象力,比喩,象徴が強調される。 Ⅳ部では,世界はいかなる根拠で存在するかが問われ,「世界とは神の現れである」ことが明らかにされる。 Ⅴ部では,クザーヌスが教会のあり方をも相対化して他の宗教に対する寛容を説いた事情を明らかにする。 Ⅵ部では,愚者とか無学者を意味するイディオータが弁論家や哲学者との対話により,立場が逆転する姿を通して思想家クザーヌスの本質を見出す。 世界的にクザーヌスへの関心が広がる中,本書は半世紀に及ぶ研究の集大成であり必読の基本文献となろう。 納入までに3週間ほどかかります。

カンタベリーのアンセルムス 風景の中の肖像

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
12,100
リチャード・ウィリアム・サザーン(著), 矢内義顕(訳)、知泉書館、2015/03/25、776p、・・・
西ヨーロッパの形成と発展を論じた『中世の形成』,中世の教会と社会との関係を叙述した『西欧中世の社会と教会』,さらに8世紀から15世紀に至るヨーロッパのイスラム理解に関する『ヨーロッパとイスラム世界』など,ヨーロッパの中世史研究を代表するR.W.サザーン(1912-2001)が,半世紀以上にわたるアンセルムス研究を集大成した画期的作品である。
『アンセルムス伝』を執筆した弟子のエアドメルスをはじめ,祈りと瞑想の修道生活を共にした親密な友人たちに囲まれて生きたアンセルムス(1033-1109)という希有な人格の肖像を,文学的な香りを湛えて見事に描いた歴史叙述の典型的作品である。修道士,神学者,大司教としてだけではない「ひとりの人間」として彼を理解するためには,教会の政治やこの世の政治に対する態度ばかりでなく,彼の「祈?」と「瞑想」,自由と贖罪に関する正確な認識が必要となる。
著者サザーンは主要な著作のみならず多岐にわたる書簡群を考察することにより,友愛に関する彼の理想と実践,修道生活の内部あるいはその境界にいる人々との関係,そして宗教的理想への変わらぬ情熱を,11世紀の移り変わる風景の中で捉えている。時代を越えてアンセルムスと読者を結びつける必読の書。

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12,100
リチャード・ウィリアム・サザーン(著), 矢内義顕(訳) 、知泉書館 、2015/03/25 、776p 、A5
西ヨーロッパの形成と発展を論じた『中世の形成』,中世の教会と社会との関係を叙述した『西欧中世の社会と教会』,さらに8世紀から15世紀に至るヨーロッパのイスラム理解に関する『ヨーロッパとイスラム世界』など,ヨーロッパの中世史研究を代表するR.W.サザーン(1912-2001)が,半世紀以上にわたるアンセルムス研究を集大成した画期的作品である。 『アンセルムス伝』を執筆した弟子のエアドメルスをはじめ,祈りと瞑想の修道生活を共にした親密な友人たちに囲まれて生きたアンセルムス(1033-1109)という希有な人格の肖像を,文学的な香りを湛えて見事に描いた歴史叙述の典型的作品である。修道士,神学者,大司教としてだけではない「ひとりの人間」として彼を理解するためには,教会の政治やこの世の政治に対する態度ばかりでなく,彼の「祈?」と「瞑想」,自由と贖罪に関する正確な認識が必要となる。 著者サザーンは主要な著作のみならず多岐にわたる書簡群を考察することにより,友愛に関する彼の理想と実践,修道生活の内部あるいはその境界にいる人々との関係,そして宗教的理想への変わらぬ情熱を,11世紀の移り変わる風景の中で捉えている。時代を越えてアンセルムスと読者を結びつける必読の書。 納入までに3週間ほどかかります。

唐代小説「板橋三娘子」考 西と東の変驢変馬譚のなかで

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,020
岡田 充博、知泉書館、2012、704p、A5判
河南省の板橋店で小さな宿屋を営む女将の三娘子は客に焼餅を食べさせ驢馬に変える妖術を使っていた。それを知った旅人が女将を騙し驢馬に変えて酷使するという唐代の怪異譚「板橋三娘子」について,その原話から成立の背景,伝播と変遷の実態を,広範な資料を渉猟し総合的に考察した画期的な業績である。
物語の原話をヨーロッパから西アジア,インドに求め,インドの古代説話にその源を見出す。それは西に伝わって『アラビアン・ナイト』へと流れ込み,東ではソグド商人の東西貿易を介して中国にもたらされた。
原話の中国への伝来と翻案による怪異譚としての成立の背景を,関連資料の収集,舞台となった土地の歴史,物語と当時の風俗との関わり,人形を用いる幻術の特異性,さらに小説としての完成度など多面的に考察するとともに,中国の変身術が古代の自然観にもとづく「気」一元論に依拠することを明らかにする。
わが国では「三娘子」がいかに受容され,翻案や類話が生み出されたかをはじめ,近世には動物から人への変身譚が顕著になるなど,中国の影響を受けつつも独自の展開が見られたことを明らかにする。
インド・中近東・中国から日本に伝わり多くの説話,小説,戯曲を生んだこの作品に対する本書の比較文学的アプローチは多くの読者にとって刺激となろう。
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9,020
岡田 充博 、知泉書館 、2012 、704p 、A5判
河南省の板橋店で小さな宿屋を営む女将の三娘子は客に焼餅を食べさせ驢馬に変える妖術を使っていた。それを知った旅人が女将を騙し驢馬に変えて酷使するという唐代の怪異譚「板橋三娘子」について,その原話から成立の背景,伝播と変遷の実態を,広範な資料を渉猟し総合的に考察した画期的な業績である。 物語の原話をヨーロッパから西アジア,インドに求め,インドの古代説話にその源を見出す。それは西に伝わって『アラビアン・ナイト』へと流れ込み,東ではソグド商人の東西貿易を介して中国にもたらされた。 原話の中国への伝来と翻案による怪異譚としての成立の背景を,関連資料の収集,舞台となった土地の歴史,物語と当時の風俗との関わり,人形を用いる幻術の特異性,さらに小説としての完成度など多面的に考察するとともに,中国の変身術が古代の自然観にもとづく「気」一元論に依拠することを明らかにする。 わが国では「三娘子」がいかに受容され,翻案や類話が生み出されたかをはじめ,近世には動物から人への変身譚が顕著になるなど,中国の影響を受けつつも独自の展開が見られたことを明らかにする。 インド・中近東・中国から日本に伝わり多くの説話,小説,戯曲を生んだこの作品に対する本書の比較文学的アプローチは多くの読者にとって刺激となろう。

聖歌隊の誕生 カンブレー大聖堂の音楽組織

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
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山本 成生 著、知泉書館、2013/02/25、618p、A5
本書は「音楽拠点」研究という視点より,中世からルネサンスにかけての「音楽家」の社会的身分のあり方と彼らが属していた組織の解明を試みる。考察対象である15-16世紀は「ポリフォニー(多声音楽)」とよばれる複雑な音楽様式が開花した変革の時代でもあった。「音楽拠点」とは,貴族の私的礼拝堂や教会,都市といった前近代社会において音楽の生産,流通,消費を担っていた機関を指し,本書が扱うカンブレー大聖堂には膨大な史料が残されている。
大聖堂では参事会が日々の霊的・世俗的運営を担い,その下で彼らの代わりに聖務を行う「代理」と呼ばれる下級聖職者,そして数名の少年とその教師からなる「少年聖歌隊」が音楽活動を行っていた。「聖歌隊」の構成員は「聖職者」である一方,中世後期になると音楽に関する専門的な能力が求められるようになる。
著者は未刊行の「参事会審議録」を駆使して,参事会の施策や音楽に造詣が深い「音楽家参事会員」の経歴,「代理」たちの活動と人的構成,聖歌隊教師の音楽家としてのキャリアや雇用に関わる参事会との駆け引きなど多角的な分析を通して,聖職者と音楽家が未分離な状態のなかで多様な生命力に満ちた「聖歌隊」が形成されていく姿を解明する。
音楽史研究では音楽様式や大作曲家の作品・生涯を偏重し,多声音楽の発達と大作曲家の活躍によりクラシック音楽の芸術様式が形成されたと言われるが,実際は複雑で様々な可能性と限界のなかで生成されたことが明らかにされる。

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山本 成生 著 、知泉書館 、2013/02/25 、618p 、A5
本書は「音楽拠点」研究という視点より,中世からルネサンスにかけての「音楽家」の社会的身分のあり方と彼らが属していた組織の解明を試みる。考察対象である15-16世紀は「ポリフォニー(多声音楽)」とよばれる複雑な音楽様式が開花した変革の時代でもあった。「音楽拠点」とは,貴族の私的礼拝堂や教会,都市といった前近代社会において音楽の生産,流通,消費を担っていた機関を指し,本書が扱うカンブレー大聖堂には膨大な史料が残されている。 大聖堂では参事会が日々の霊的・世俗的運営を担い,その下で彼らの代わりに聖務を行う「代理」と呼ばれる下級聖職者,そして数名の少年とその教師からなる「少年聖歌隊」が音楽活動を行っていた。「聖歌隊」の構成員は「聖職者」である一方,中世後期になると音楽に関する専門的な能力が求められるようになる。 著者は未刊行の「参事会審議録」を駆使して,参事会の施策や音楽に造詣が深い「音楽家参事会員」の経歴,「代理」たちの活動と人的構成,聖歌隊教師の音楽家としてのキャリアや雇用に関わる参事会との駆け引きなど多角的な分析を通して,聖職者と音楽家が未分離な状態のなかで多様な生命力に満ちた「聖歌隊」が形成されていく姿を解明する。 音楽史研究では音楽様式や大作曲家の作品・生涯を偏重し,多声音楽の発達と大作曲家の活躍によりクラシック音楽の芸術様式が形成されたと言われるが,実際は複雑で様々な可能性と限界のなかで生成されたことが明らかにされる。 納入までに3週間ほどかかります。

中世における信仰と知

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上智大学中世思想研究所 編、知泉書館、2013/03/30、482p、A5
本書はキリスト教古代から近世にいたる「信仰と知」をめぐる思索を代表的な思想家を通して解明する。古典古代で形成された知の探究構造はいかに聖書理解に受け継がれたか,信仰における問題意識に理性はいかに迫り,それ自体としては表現できない超越的な事態を理性はいかに理解へともたらすのかなど,多様な問題に光をあてる。
キリスト教がギリシア・ローマの思想と対峙した2世紀,教父たちは古代の知恵を信仰理解と信仰生活に生かすために,ヘレニズム的テキスト解釈を聖書解釈へ導入し,中期プラトン主義による救済史的神学体系の構築に挑んだ。
11世紀のラテン中世では,信仰内容を「理性のみによって」探究する初期スコラ学がアンセルムスにより形成され,「信仰と知」は自らに目覚めた理性と聖書理解および教会の伝統との関係を問う「理性と権威」として主題化された。
アリストテレス哲学がイスラム世界から受容された13世紀の盛期スコラ学では,「知」は経験的認識に基づいた「学知」となり,信仰理解は「大全」にまとめ上げられ,「信仰と知」は大学において「神学と哲学」として提起された。
14世紀の後期スコラ学になると哲学と神学の密接な関係が神学の優位性とともに解体し,経験と個体を重視するスコトゥスとオッカムの思惟の展開,また思弁的知性論を軸としたエックハルトからクザーヌスへの潮流が,イギリス経験論と大陸合理論,ドイツ観念論へと展開していった。
「信仰と知」から見た中世思想史としても格好の基本文献。

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上智大学中世思想研究所 編 、知泉書館 、2013/03/30 、482p 、A5
本書はキリスト教古代から近世にいたる「信仰と知」をめぐる思索を代表的な思想家を通して解明する。古典古代で形成された知の探究構造はいかに聖書理解に受け継がれたか,信仰における問題意識に理性はいかに迫り,それ自体としては表現できない超越的な事態を理性はいかに理解へともたらすのかなど,多様な問題に光をあてる。 キリスト教がギリシア・ローマの思想と対峙した2世紀,教父たちは古代の知恵を信仰理解と信仰生活に生かすために,ヘレニズム的テキスト解釈を聖書解釈へ導入し,中期プラトン主義による救済史的神学体系の構築に挑んだ。 11世紀のラテン中世では,信仰内容を「理性のみによって」探究する初期スコラ学がアンセルムスにより形成され,「信仰と知」は自らに目覚めた理性と聖書理解および教会の伝統との関係を問う「理性と権威」として主題化された。 アリストテレス哲学がイスラム世界から受容された13世紀の盛期スコラ学では,「知」は経験的認識に基づいた「学知」となり,信仰理解は「大全」にまとめ上げられ,「信仰と知」は大学において「神学と哲学」として提起された。 14世紀の後期スコラ学になると哲学と神学の密接な関係が神学の優位性とともに解体し,経験と個体を重視するスコトゥスとオッカムの思惟の展開,また思弁的知性論を軸としたエックハルトからクザーヌスへの潮流が,イギリス経験論と大陸合理論,ドイツ観念論へと展開していった。 「信仰と知」から見た中世思想史としても格好の基本文献。 納入までに3週間ほどかかります。

戸籍からみた朝鮮の周縁 17-19世紀の社会変動と僧・白丁

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4,950
山内 民博 著、知泉書館、2021、276p、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。
本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。
初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。
従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。
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山内 民博 著 、知泉書館 、2021 、276p 、菊判
戸籍によって民を把握する試みは,古代中国に始まり,東アジア各地で行われた。現存する17世紀以降の朝鮮戸籍には,戸を単位に個人の姓名・年齢・祖先名や職役が記され,戸籍を通じ人々を編成・把握しようとする公権力の意思が伺える。そこには家族や村落,特定の職役集団など様々な社会集団の姿が立ち現れるが,その狭間で周縁的,例外的な扱いを受ける人々も確認できる。 本書は,そうした周縁的社会集団の中でも,僧と白丁(柳器匠・皮匠)に注目し,身分概念では十分に捉えきれない彼らの社会的実態を史料に即して解明し,17~19世紀における近世朝鮮社会の変化を考察する。 初めに,19世紀の戸籍大帳により僧と柳器匠の社会的位置を考察し,それらがいかに形成されてきたのかを15~16世紀に遡り,王朝実録や日記記事を用いて論述する。次に1675年の戸籍制度改革の前後,僧と柳器匠・皮匠が戸籍に登場し始める時期を取り上げる。また18世紀以降,柳器匠・皮匠の戸籍の把握と認識方法の変化により身分変動を再考し,寺庵内の諸集団の特徴,また公的負担とそれへの対応を考察。最後に,19世紀末1896年の甲午改革による新式戸籍と僧籍・屠漢籍の特徴を解明し,さらには寺・僧が王権と関わると同時に芸能民とも結びつく独特な存在だったことをも指摘する。 従来の研究にはなかった周縁に着目し,僧や白丁の戸籍編成上の位置を解明,両班や良賤制理解への貢献とともに,近世の日本史や中国史研究者にも示唆に富む業績。

ことばが紡ぎ出されるとき 声とテクストのあいだ

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3,850
岩波 敦子 編、知泉書館、2026年02月、284p、菊判
「ことば」とは何か。「ことば」は単なる情報伝達の手段ではなく,身体に根ざし,時間の中で生成・消滅し,記憶と集団的連帯を形づくる。語られる声の刹那性と,テクストによる固定化・反復可能性との緊張関係をはらみ,我々の意識に刻まれ,魂の在り方に深く関わる。
本書は,哲学,神学,文学,歴史学,言語学,美術史など分野横断的な知を結集し,古典古代から現代に至るヨーロッパ,イスラーム,ビザンツ世界を中心に,ことばが文化の諸形態において果たしてきた創造的営為を,多角的な視座から検討する共同研究の成果である。
第Ⅰ部では,聖霊論や言語思想を通じて,声が時間的世界に刻印される在り方と,神的なものを伝達する思想的可能性を探究する。第Ⅱ部では,神の語りかけと応答をめぐる聖書解釈やイスラーム美術の銘文を扱い,神と人をつなぐメディアについて論じる。第Ⅲ部では,説教や教化文学を取り上げ,声とテクストが錯綜しながら人々を教え導く言語行為の歴史的展開を描き出す。第Ⅳ部では,儀礼や誓いにおける身体化されたことばが,社会的秩序と紐帯を現前化する力を有していたことを明らかにし,ことばの呪縛力をも考察する。
テクスト論,認識論,表象論,思想史,文化史など多元的なアプローチによる10章の論稿は,有機的に連関し,互いに響き合いながら,ことばの身体性・社会性・歴史性を解き明かしていく。言語文化研究に新たな地平を拓く,刺激に満ちた一冊である。

目次

はじめに
第Ⅰ部 声の刻印とことば
第Ⅱ部 神の語りかけとテクスト/表象
第Ⅲ部 教え導くことばとテクスト
第Ⅳ部 響き合うことばと儀礼
あとがき

納入までに3週間ほどかかります。
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クレジットカード使用可 銀行振込可 代引き不可 公費可 海外発送不可 適格請求
3,850
岩波 敦子 編 、知泉書館 、2026年02月 、284p 、菊判
「ことば」とは何か。「ことば」は単なる情報伝達の手段ではなく,身体に根ざし,時間の中で生成・消滅し,記憶と集団的連帯を形づくる。語られる声の刹那性と,テクストによる固定化・反復可能性との緊張関係をはらみ,我々の意識に刻まれ,魂の在り方に深く関わる。 本書は,哲学,神学,文学,歴史学,言語学,美術史など分野横断的な知を結集し,古典古代から現代に至るヨーロッパ,イスラーム,ビザンツ世界を中心に,ことばが文化の諸形態において果たしてきた創造的営為を,多角的な視座から検討する共同研究の成果である。 第Ⅰ部では,聖霊論や言語思想を通じて,声が時間的世界に刻印される在り方と,神的なものを伝達する思想的可能性を探究する。第Ⅱ部では,神の語りかけと応答をめぐる聖書解釈やイスラーム美術の銘文を扱い,神と人をつなぐメディアについて論じる。第Ⅲ部では,説教や教化文学を取り上げ,声とテクストが錯綜しながら人々を教え導く言語行為の歴史的展開を描き出す。第Ⅳ部では,儀礼や誓いにおける身体化されたことばが,社会的秩序と紐帯を現前化する力を有していたことを明らかにし,ことばの呪縛力をも考察する。 テクスト論,認識論,表象論,思想史,文化史など多元的なアプローチによる10章の論稿は,有機的に連関し,互いに響き合いながら,ことばの身体性・社会性・歴史性を解き明かしていく。言語文化研究に新たな地平を拓く,刺激に満ちた一冊である。 目次 はじめに 第Ⅰ部 声の刻印とことば 第Ⅱ部 神の語りかけとテクスト/表象 第Ⅲ部 教え導くことばとテクスト 第Ⅳ部 響き合うことばと儀礼 あとがき 納入までに3週間ほどかかります。

デカルトの知性主義 分析的方法の精神化とその基づけ

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,050
小沢 明也 著、知泉書館、2025年2月、358p、菊判
デカルトは「近代哲学の父」と言われるが、それはなぜであろうか。「コギト」という近代哲学の原理を打ち立て、近代科学を産み出す幾何学的方法の発見、前時代の学を根本的に壊滅させ、物体の本質を延長とみなす機械論的科学論などがその理由である。しかし現代においてヨーロッパ哲学はデカルト哲学というアイデンティティを失い自己喪失に陥っている。本書はデカルト研究を通して再び「哲学すること」を問いかける。デカルト研究、哲学史研究を、たんなる対象研究に終わらせるのではなく、自らの「哲学の実践」とすることを示した労作。

目次

略記号
はじめに
 序章 哲学者研究の哲学

第Ⅰ部 方法
 第1章 方法の誕生――方法の新たな精神化の歴史
 第2章 数学のモデル――数学的方法と方法の精神
 第3章 推論と理性――デカルトの三段論法批判から形而上学の方法へ

第Ⅱ部 懐疑
 第4章 作者の発作ないしは方法の危機
 第5章 精神を感覚から引き離すこと――トマスの抽象とデカルトの懐疑

第Ⅲ部 コギトとエゴの存在
 第6章 『規則論』における“Ego sum”と“Ego cogito”の順序関係について
 第7章 ソクラテス的反転――ドゥビトの確実性からスムの必然性へ
 第8章 エゴの持続と観念の永続

第Ⅳ部 デカルト形而上学の構造
 第9章 方法と第一哲学――エゴの覚醒とコギトの論理構造の展開
 第10章 知性弁護論――反意志主義的解釈の試み
 第11章 デカルトの循環――失われた記憶を求めて
 終章 「欲求」(appétit)の左遷

あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

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6,050
小沢 明也 著 、知泉書館 、2025年2月 、358p 、菊判
デカルトは「近代哲学の父」と言われるが、それはなぜであろうか。「コギト」という近代哲学の原理を打ち立て、近代科学を産み出す幾何学的方法の発見、前時代の学を根本的に壊滅させ、物体の本質を延長とみなす機械論的科学論などがその理由である。しかし現代においてヨーロッパ哲学はデカルト哲学というアイデンティティを失い自己喪失に陥っている。本書はデカルト研究を通して再び「哲学すること」を問いかける。デカルト研究、哲学史研究を、たんなる対象研究に終わらせるのではなく、自らの「哲学の実践」とすることを示した労作。 目次 略記号 はじめに  序章 哲学者研究の哲学 第Ⅰ部 方法  第1章 方法の誕生――方法の新たな精神化の歴史  第2章 数学のモデル――数学的方法と方法の精神  第3章 推論と理性――デカルトの三段論法批判から形而上学の方法へ 第Ⅱ部 懐疑  第4章 作者の発作ないしは方法の危機  第5章 精神を感覚から引き離すこと――トマスの抽象とデカルトの懐疑 第Ⅲ部 コギトとエゴの存在  第6章 『規則論』における“Ego sum”と“Ego cogito”の順序関係について  第7章 ソクラテス的反転――ドゥビトの確実性からスムの必然性へ  第8章 エゴの持続と観念の永続 第Ⅳ部 デカルト形而上学の構造  第9章 方法と第一哲学――エゴの覚醒とコギトの論理構造の展開  第10章 知性弁護論――反意志主義的解釈の試み  第11章 デカルトの循環――失われた記憶を求めて  終章 「欲求」(appétit)の左遷 あとがき 参考文献 人名索引 事項索引 納入までに3週間ほどかかります。

イギリス新教育運動の生起と展開 教師の自律性と専門職化の歴史

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
山﨑 洋子 著、知泉書館、2022/02/28、644p、菊判
イギリスの国民教育制度が成立した19世紀末から1930年代を通して展開された新教育運動では,自由,個性,創造性を包摂する宗教的・政治的・社会的カテゴリーの多様性に応じた2つの組織に多くの人々が学内外から参画し,教育の根本原理が探究された。
「子どもの自由」「教育の自由」のために教育の内容や方法の開発を担った教育者や研究者らの運動は,教師の自律性と専門職化を促した。多様な思想や社会的要請に応えた組織や制度とそれに関わる人々,さらには出版メディアの働きに賛同した世論によって教育政策や教育制度は多大な影響を受け,その運動は大きな潮流となった。
しかしこのようなほぼ50年にわたるイギリス新教育運動の全容はいまだ解明されていない。そこには多数の参画者や共鳴者の存在と複雑な事象,さらには運動が多様に展開・拡大したことにより,学校の現場で生じた混乱など,多くの要因が存在した。
著者は長年にわたり膨大な一次史料を収集・整理するとともに,日本における大正期の新教育運動に影響を与えたイギリスの研究をも視野に収めて,イギリス新教育運動の教育学的,社会的意義を解明する。複雑で多様なネットワークや特徴ある数々の改革を通史としてまとめた本書は,内外に類書のない画期的な業績である。
わが国でも教育に対する考え方やあり方の転換,そして教育と福祉の統合,専門家の間の連携などが要請されている。本書の「子ども中心の思想」や改革事例は,教育問題を考えるためにも豊かな知見を与えてくれるであろう。

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9,900
山﨑 洋子 著 、知泉書館 、2022/02/28 、644p 、菊判
イギリスの国民教育制度が成立した19世紀末から1930年代を通して展開された新教育運動では,自由,個性,創造性を包摂する宗教的・政治的・社会的カテゴリーの多様性に応じた2つの組織に多くの人々が学内外から参画し,教育の根本原理が探究された。 「子どもの自由」「教育の自由」のために教育の内容や方法の開発を担った教育者や研究者らの運動は,教師の自律性と専門職化を促した。多様な思想や社会的要請に応えた組織や制度とそれに関わる人々,さらには出版メディアの働きに賛同した世論によって教育政策や教育制度は多大な影響を受け,その運動は大きな潮流となった。 しかしこのようなほぼ50年にわたるイギリス新教育運動の全容はいまだ解明されていない。そこには多数の参画者や共鳴者の存在と複雑な事象,さらには運動が多様に展開・拡大したことにより,学校の現場で生じた混乱など,多くの要因が存在した。 著者は長年にわたり膨大な一次史料を収集・整理するとともに,日本における大正期の新教育運動に影響を与えたイギリスの研究をも視野に収めて,イギリス新教育運動の教育学的,社会的意義を解明する。複雑で多様なネットワークや特徴ある数々の改革を通史としてまとめた本書は,内外に類書のない画期的な業績である。 わが国でも教育に対する考え方やあり方の転換,そして教育と福祉の統合,専門家の間の連携などが要請されている。本書の「子ども中心の思想」や改革事例は,教育問題を考えるためにも豊かな知見を与えてくれるであろう。 納入までに3週間ほどかかります。

北朝鮮の内部文書集 第2巻 ソ連軍政期―建国初期

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,820
木村 光彦 編訳、知泉書館、2025年12月、316p、菊判
朝鮮戦争で北朝鮮から大量の内部文書を捕獲,米国国立公文書館に保存されている資料集の中から,当時の北朝鮮の実情を伝える代表的文書を選び,邦訳編集した。
1巻に続き本巻でも四編に分け,V編 経済運営,Ⅵ編 沙里院紡織工場1947-48,Ⅶ編 沙里院紡織工場1949-50,Ⅷ編 賃金制度・労働,として紹介・解説する。
ソ連共産党支配下でのソ連軍政期の実態と北朝鮮臨時人民委員会による国内の組織活動の計画経済化にともなう多様な現象を明らかにする資料群である。
V編では計画経済化に伴い故障の頻発,資材不足,不良品,在庫管理の欠如や官僚主義の弊害,技術者不足,高い労働移動率や労働規律の欠如など問題が頻出した。
Ⅵ編では個別工場の内部文書を利用する。通常のマクロデータとは違い現場の実態を知るために貴重な資料である。この工場はかつて日本の東洋製糸沙里院工場だったが,北朝鮮では近代工場の一つである。文書は工場と上級機関との間の指示書,報告書からなり,それを通してソ連占領軍が直接に関与していた可能性が示唆される。
Ⅶ編の内部文書では大量の報告書が多くの機関や委員会に提出され,政府の直接関与が解明される。課題は原材料など物資の不足,設備故障,不良品生産,労力の不足など基盤環境や能力欠如など現場の機能障害であった。
Ⅷ編では都給制(賃金制)やボーナス制など多くの賃金システムを試み,労働の動機づけや流動性など働く人に対する政策を講したが,試行錯誤と混迷は続いた。

目次

凡例
解説
第Ⅴ編 経済運営
第Ⅵ編 沙里院紡織工場 1947-48
第Ⅶ編 沙里院紡織工場 1949-50
第Ⅷ編 賃金制度・労働

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6,820
木村 光彦 編訳 、知泉書館 、2025年12月 、316p 、菊判
朝鮮戦争で北朝鮮から大量の内部文書を捕獲,米国国立公文書館に保存されている資料集の中から,当時の北朝鮮の実情を伝える代表的文書を選び,邦訳編集した。 1巻に続き本巻でも四編に分け,V編 経済運営,Ⅵ編 沙里院紡織工場1947-48,Ⅶ編 沙里院紡織工場1949-50,Ⅷ編 賃金制度・労働,として紹介・解説する。 ソ連共産党支配下でのソ連軍政期の実態と北朝鮮臨時人民委員会による国内の組織活動の計画経済化にともなう多様な現象を明らかにする資料群である。 V編では計画経済化に伴い故障の頻発,資材不足,不良品,在庫管理の欠如や官僚主義の弊害,技術者不足,高い労働移動率や労働規律の欠如など問題が頻出した。 Ⅵ編では個別工場の内部文書を利用する。通常のマクロデータとは違い現場の実態を知るために貴重な資料である。この工場はかつて日本の東洋製糸沙里院工場だったが,北朝鮮では近代工場の一つである。文書は工場と上級機関との間の指示書,報告書からなり,それを通してソ連占領軍が直接に関与していた可能性が示唆される。 Ⅶ編の内部文書では大量の報告書が多くの機関や委員会に提出され,政府の直接関与が解明される。課題は原材料など物資の不足,設備故障,不良品生産,労力の不足など基盤環境や能力欠如など現場の機能障害であった。 Ⅷ編では都給制(賃金制)やボーナス制など多くの賃金システムを試み,労働の動機づけや流動性など働く人に対する政策を講したが,試行錯誤と混迷は続いた。 目次 凡例 解説 第Ⅴ編 経済運営 第Ⅵ編 沙里院紡織工場 1947-48 第Ⅶ編 沙里院紡織工場 1949-50 第Ⅷ編 賃金制度・労働 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第二巻 倫理学講義(全5巻)

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年05月、418p、46判
著者は1985年に京都大学を定年退職後,南山大学に移り,自由なテーマによる教養科目の講義を要請された。専門科目しか教授してこなかった著者が,若い人たちも興味をもち,理解できるように分かり易く工夫したのが本シリーズである。哲学・倫理学の深い学識と豊かな知識に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても学問と人生を知るうえで,示唆に富む有益な名講義である。
名古屋での13年,授業で話した主要なテーマは「愛」の問題であった。本巻では愛の諸相について語られる。
「愛とは何か。問われないと私は知っている。問われると,分からなくなる。」愛することは知っている。しかし愛とは何かを知らない。愛の自明性と多義性という両面性と愛の意味を知るために愛の諸形態について考える。
愛については三つの見方がある。プラトン『饗宴』の「エロス」,アリストテレス『ニコマコス倫理学』の「ピリア」,そして『新約聖書』の「アガペー」である。
本書では『饗宴』の論客たちの愛に対する思いを見ながら,エロスの持つ多様で深い意味が紹介される。
さらにキリスト教の「あなたの父なる神」と「キリストと群衆」を通して,神とイエスと群衆が相互に交わりながら,人々の中で息づく愛と,キリスト教の真実を見つめる。
人には好きと嫌いがあり,エロスの愛は反面として「憎しみ」を伴う。それらの根底には「自愛」がある。「自愛」と「他愛」の深刻な抗いにいかに応えるかを考える。
次回の第三巻では「ピリア」と「アガペー」について語られ,「エロス」を含め愛の統合的な理解が明らかにされる。
目次
凡例
まえがき

第Ⅰ部 愛の諸形態――エロス愛について
第Ⅱ部 愛の経験
第Ⅲ部 好きと嫌い
第Ⅳ部 プラトンのエロス論
第Ⅴ部 「あなた方の父」なる神
(一)「あなた方の父」なる神
(二) イエスと群衆
納入までに3週間ほどかかります。
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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年05月 、418p 、46判
著者は1985年に京都大学を定年退職後,南山大学に移り,自由なテーマによる教養科目の講義を要請された。専門科目しか教授してこなかった著者が,若い人たちも興味をもち,理解できるように分かり易く工夫したのが本シリーズである。哲学・倫理学の深い学識と豊かな知識に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても学問と人生を知るうえで,示唆に富む有益な名講義である。 名古屋での13年,授業で話した主要なテーマは「愛」の問題であった。本巻では愛の諸相について語られる。 「愛とは何か。問われないと私は知っている。問われると,分からなくなる。」愛することは知っている。しかし愛とは何かを知らない。愛の自明性と多義性という両面性と愛の意味を知るために愛の諸形態について考える。 愛については三つの見方がある。プラトン『饗宴』の「エロス」,アリストテレス『ニコマコス倫理学』の「ピリア」,そして『新約聖書』の「アガペー」である。 本書では『饗宴』の論客たちの愛に対する思いを見ながら,エロスの持つ多様で深い意味が紹介される。 さらにキリスト教の「あなたの父なる神」と「キリストと群衆」を通して,神とイエスと群衆が相互に交わりながら,人々の中で息づく愛と,キリスト教の真実を見つめる。 人には好きと嫌いがあり,エロスの愛は反面として「憎しみ」を伴う。それらの根底には「自愛」がある。「自愛」と「他愛」の深刻な抗いにいかに応えるかを考える。 次回の第三巻では「ピリア」と「アガペー」について語られ,「エロス」を含め愛の統合的な理解が明らかにされる。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 愛の諸形態――エロス愛について 第Ⅱ部 愛の経験 第Ⅲ部 好きと嫌い 第Ⅳ部 プラトンのエロス論 第Ⅴ部 「あなた方の父」なる神 (一)「あなた方の父」なる神 (二) イエスと群衆 納入までに3週間ほどかかります。

東アジア祭祀芸能比較論

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,270
田仲 一成 著、知泉書館、2023、514p、菊判
中国、朝鮮、日本に共通にみられる神事芸能について、それぞれの歴史的な沿革と現状を略述した上で、二国間、あるいは三国間の芸能の交流/影響関係などを考察。東アジアの芸能全体の発生・展開・伝播の状況を明らかにする。
目次
前言
第1章 中国の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能
第3節 鎮魂系の祭祀芸能
第4節 小結
第2章 朝鮮の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能Ⅰ――宮廷儺戯・雑戯
第3節 攘災系の祭祀芸能Ⅱ
第4節 鎮魂系の祭祀芸能
第5節 小結
第3章 日本の祭祀芸能
第1節 祈福系の祭祀芸能
第2節 攘災系の祭祀芸能
第3節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅰ
第4節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅱ
第5節 小結
第4章 中朝祭祀芸能の比較
第1節 祈福系祭祀芸能の比較
第2節 攘災系祭祀の比較
第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較
第4節 小結――儒教儀礼の共有
第5章 朝日祭祀芸能の比較
第1節 祈福系祭祀芸能の比較
第2節 攘災系祭祀芸能の比較
第3節 鎮魂儀礼の比較
第4節 小結――民俗の共通性
補論 朝日仮面劇をめぐる論争
第6章 中日祭祀芸能の比較
第1節 祈福系儀礼の比較
第2節 攘災系祭祀芸能の比較
第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較
第4節 小結
第7章 三国祭祀芸能の対照
第1節 豊饒儀礼(農耕儀礼)の対照
第2節 攘災儀礼(発散儀礼)の対照
第3節 鎮魂儀礼(地獄儀礼)の対照
第4節 小結――朝鮮における演劇未発
第8章 劇文学の比較
第1節 逐疫の呪文
第2節 爛熟期の中国戯曲と日本近世戯曲の比較
第3節 西洋と東洋の劇文学の異同――悲劇の比重
第4節 総結
附録Ⅰ 黒川能歴年上演演目表(1839-2010)
附録Ⅱ 黒川狂言歴年上演演目表(1974-2010)
附録Ⅲ 大野舞台猿楽図誌(天保7年〔1841〕序刊,東洋文庫蔵)
参考文献目録
あとがき
索引
英文目次
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6,270
田仲 一成 著 、知泉書館 、2023 、514p 、菊判
中国、朝鮮、日本に共通にみられる神事芸能について、それぞれの歴史的な沿革と現状を略述した上で、二国間、あるいは三国間の芸能の交流/影響関係などを考察。東アジアの芸能全体の発生・展開・伝播の状況を明らかにする。 目次 前言 第1章 中国の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能 第3節 鎮魂系の祭祀芸能 第4節 小結 第2章 朝鮮の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能Ⅰ――宮廷儺戯・雑戯 第3節 攘災系の祭祀芸能Ⅱ 第4節 鎮魂系の祭祀芸能 第5節 小結 第3章 日本の祭祀芸能 第1節 祈福系の祭祀芸能 第2節 攘災系の祭祀芸能 第3節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅰ 第4節 鎮魂系の祭祀芸能Ⅱ 第5節 小結 第4章 中朝祭祀芸能の比較 第1節 祈福系祭祀芸能の比較 第2節 攘災系祭祀の比較 第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較 第4節 小結――儒教儀礼の共有 第5章 朝日祭祀芸能の比較 第1節 祈福系祭祀芸能の比較 第2節 攘災系祭祀芸能の比較 第3節 鎮魂儀礼の比較 第4節 小結――民俗の共通性 補論 朝日仮面劇をめぐる論争 第6章 中日祭祀芸能の比較 第1節 祈福系儀礼の比較 第2節 攘災系祭祀芸能の比較 第3節 鎮魂系祭祀芸能の比較 第4節 小結 第7章 三国祭祀芸能の対照 第1節 豊饒儀礼(農耕儀礼)の対照 第2節 攘災儀礼(発散儀礼)の対照 第3節 鎮魂儀礼(地獄儀礼)の対照 第4節 小結――朝鮮における演劇未発 第8章 劇文学の比較 第1節 逐疫の呪文 第2節 爛熟期の中国戯曲と日本近世戯曲の比較 第3節 西洋と東洋の劇文学の異同――悲劇の比重 第4節 総結 附録Ⅰ 黒川能歴年上演演目表(1839-2010) 附録Ⅱ 黒川狂言歴年上演演目表(1974-2010) 附録Ⅲ 大野舞台猿楽図誌(天保7年〔1841〕序刊,東洋文庫蔵) 参考文献目録 あとがき 索引 英文目次

高橋亨朝鮮儒学論集

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,350
川原 秀城 ・金 光来 編訳、知泉書館、2011、480p、A5判
高橋亨(1878-1967)は戦前戦後を通じて活躍した朝鮮思想研究の第一人者である。戦前は生活・研究の拠点を朝鮮に置き,京城帝国大学で教育と研究に従事,戦後は天理大学において朝鮮学会の創立・運営に関わった。本書は高橋の朝鮮儒学関連論文を編修校訂し,原典に翻訳を付して読者の便を図った初めての論文集である。
高橋の朝鮮儒学研究は,鋭敏かつ的確な思想分析と論理的整合性を備えた,他の追随を許さない出色の研究であり,往事の研究とは一線を画す朝鮮思想研究の嚆矢とも言うべきものである。朝鮮儒学研究においては,社会史的研究や書誌学的研究はさておき,思想の醍醐味を論じる学説史的研究では史上,高橋の研究を凌駕するものはなく,現在も依然として最良の研究の一つである。
高橋は朝鮮総督府の文教政策に深く関与し,日本帝国の高級官僚出身の朝鮮研究者として,植民地主義的な行政文書や皇国史観の宣伝文も多く残したために戦後,彼の研究が顧みられることが少なかった。編者らは高橋の朝鮮儒学研究が評価に値し,熟読すべきところがあり,植民地主義者ゆえに優れた研究成果を丸ごと抹消するのはあまりに惜しいと考え本書の編纂を企画した。
わが国の東アジア研究の質的向上には朝鮮思想研究が必須であり,良質な教材が必要である。また朝鮮思想研究の充実は他の朝鮮研究のレベルアップとともに日本研究をより深化させると考えられ,さらに東アジア学の構築のために朝鮮の事象は無視できず,中国,朝鮮,日本の文化交流の過程そのものを分析することが肝要である。本書はこれらの要請に応えることを期して刊行された。

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川原 秀城 ・金 光来 編訳 、知泉書館 、2011 、480p 、A5判
高橋亨(1878-1967)は戦前戦後を通じて活躍した朝鮮思想研究の第一人者である。戦前は生活・研究の拠点を朝鮮に置き,京城帝国大学で教育と研究に従事,戦後は天理大学において朝鮮学会の創立・運営に関わった。本書は高橋の朝鮮儒学関連論文を編修校訂し,原典に翻訳を付して読者の便を図った初めての論文集である。 高橋の朝鮮儒学研究は,鋭敏かつ的確な思想分析と論理的整合性を備えた,他の追随を許さない出色の研究であり,往事の研究とは一線を画す朝鮮思想研究の嚆矢とも言うべきものである。朝鮮儒学研究においては,社会史的研究や書誌学的研究はさておき,思想の醍醐味を論じる学説史的研究では史上,高橋の研究を凌駕するものはなく,現在も依然として最良の研究の一つである。 高橋は朝鮮総督府の文教政策に深く関与し,日本帝国の高級官僚出身の朝鮮研究者として,植民地主義的な行政文書や皇国史観の宣伝文も多く残したために戦後,彼の研究が顧みられることが少なかった。編者らは高橋の朝鮮儒学研究が評価に値し,熟読すべきところがあり,植民地主義者ゆえに優れた研究成果を丸ごと抹消するのはあまりに惜しいと考え本書の編纂を企画した。 わが国の東アジア研究の質的向上には朝鮮思想研究が必須であり,良質な教材が必要である。また朝鮮思想研究の充実は他の朝鮮研究のレベルアップとともに日本研究をより深化させると考えられ,さらに東アジア学の構築のために朝鮮の事象は無視できず,中国,朝鮮,日本の文化交流の過程そのものを分析することが肝要である。本書はこれらの要請に応えることを期して刊行された。 納入までに3週間ほどかかります。

古典の挑戦 第2版 古代ギリシア・ローマ研究ナビ

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
5,830
葛西康徳(編), ヴァネッサ・カッツァート(編), 吉川斉(編), 末吉未来(編)、知泉書館、202・・・
21世紀の今,古代ギリシア・ローマを学ぶ意義とは何か。様々な社会的・地理的・人種的背景を持つ人々が交流した多様な古代社会,その姿を描き出した豊富な作品群。古典とは,人間と社会の困難な状況を示すことで,私たちにヒントを与えてくれる強力な〈武器〉なのである。
本書は,オックスフォード大学やケンブリッジ大学で古典学の教育を受け,国際的に第一線で活躍する研究者が,日本人の夏期短期留学生に向けて行う西洋古典学への招待である。古典の最前線の問題に,それぞれ独特の発想とナラティヴで斬り込み,聴衆を魅了する。

第1部「記憶と再現」は,古代ギリシアが影響を受け,近年進展の目覚ましい近東文学を紹介した後,ホメロス,抒情詩,悲劇,喜劇,ヘレニズム文学,ラテン詩文など基本的テーマを丁寧に説明する。セカンド・ソフィスティックの紹介は日本で初めてとなるだろう。

第2部「素材と受容」では,20世紀に急速に発展したパピルス研究や,美術,壺絵,神話,文献学など最先端の業績を踏まえて解説する。そして日本の古典劇とギリシア演劇との比較,およびイソップ寓話の受容を見ていく。

第3部「思想と人間」は,哲学,弁論術,歴史,宗教,法などヘレニズム文化の中核的テーマを説明し,ギリシア人とは何かを考える。ギリシア・ローマの法と裁判は,近代の政治・法制度を理解する上でも必須の教養である。さらには現在注目される合唱隊の紹介,および人類学の視点から古典学の再解釈を試みる。

人文学の基礎である西洋古典学の森に学習者を導く最良の道案内。好評を博した初版に,新たに7章分のテーマを大幅増補して,最新の改訂を施した充実の決定版である。

納入までに3週間ほどかかります。 和本
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5,830
葛西康徳(編), ヴァネッサ・カッツァート(編), 吉川斉(編), 末吉未来(編) 、知泉書館 、2025年04月 、748p 、菊判
21世紀の今,古代ギリシア・ローマを学ぶ意義とは何か。様々な社会的・地理的・人種的背景を持つ人々が交流した多様な古代社会,その姿を描き出した豊富な作品群。古典とは,人間と社会の困難な状況を示すことで,私たちにヒントを与えてくれる強力な〈武器〉なのである。 本書は,オックスフォード大学やケンブリッジ大学で古典学の教育を受け,国際的に第一線で活躍する研究者が,日本人の夏期短期留学生に向けて行う西洋古典学への招待である。古典の最前線の問題に,それぞれ独特の発想とナラティヴで斬り込み,聴衆を魅了する。 第1部「記憶と再現」は,古代ギリシアが影響を受け,近年進展の目覚ましい近東文学を紹介した後,ホメロス,抒情詩,悲劇,喜劇,ヘレニズム文学,ラテン詩文など基本的テーマを丁寧に説明する。セカンド・ソフィスティックの紹介は日本で初めてとなるだろう。 第2部「素材と受容」では,20世紀に急速に発展したパピルス研究や,美術,壺絵,神話,文献学など最先端の業績を踏まえて解説する。そして日本の古典劇とギリシア演劇との比較,およびイソップ寓話の受容を見ていく。 第3部「思想と人間」は,哲学,弁論術,歴史,宗教,法などヘレニズム文化の中核的テーマを説明し,ギリシア人とは何かを考える。ギリシア・ローマの法と裁判は,近代の政治・法制度を理解する上でも必須の教養である。さらには現在注目される合唱隊の紹介,および人類学の視点から古典学の再解釈を試みる。 人文学の基礎である西洋古典学の森に学習者を導く最良の道案内。好評を博した初版に,新たに7章分のテーマを大幅増補して,最新の改訂を施した充実の決定版である。 納入までに3週間ほどかかります。 和本

中国思想史論攷  宗教のある風景

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
4,950
西脇 常記 著、知泉書館、2022、280ページ、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。
第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。
第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。
第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。
<目次>
序文
第一部 吐魯番漢語文書研究補遺
第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描
第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

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4,950
西脇 常記 著 、知泉書館 、2022 、280ページ 、A5
本書は仏教やキリスト教など宗教が社会や人間に大きな影響力をもった時代を考察し,仏教史への視座を提供する。 第一部では20世紀初めにプロシャ学術調査隊がトルファン地域(現新疆ウィグル自治区)で収集した文書は,第2次世界大戦後にソ連によりベルリンから持ち去られた。冷戦終結後にベルリン・トルファン研究所で文書の目録作成が行われ,著者もそれに参加し,その関連でトルファン文書を検討する機会を得て,その成果の一部を示す。 第二部では6世紀の南北朝末期の4人の高僧,釈亡名,江総,釈曇延,釈静藹らの波乱に満ちた人生と仏教が時代と葛藤した姿を通して仏教思想の実態を解明する。この時代は3世紀にわたる分裂王朝が隋により統一され,時代の転換期を迎えていた。中でも北周の武帝による廃仏政策は仏教界に甚大な影響を与えた。社会に浸透した仏教とそれに触発された道教は,国家権力の強力な管理の下でその存在意義が問われ,儒教は10世紀の北宋期に勢力を伸長させるが,その源になる力が動き始めていた。 第三部では,18世紀ドイツのプロテスタントの敬虔主義教会の貧しい副牧師がキリスト教の中国布教を夢見た珍しい事例を紹介する。キリスト教の中国布教は15世紀の大航海時代に本格化し,主にイエズス会が担っていた。その中で敬虔主義者は自らが正しい宗教であり,他の宗教はその変型であるとした。孔子も一敬虔主義者であり,創世記により孔子の言説を説明しようとした。中国の情報が流入し始め,それをきっかけに展開した時代を写す試みであった。 <目次> 序文 第一部 吐魯番漢語文書研究補遺 第二部 中国南北朝末期(六世紀)の知識人点描 第三部 あるプロテスタント牧師が描いた中国

倫理学講義 第四巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年09月、430p、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く,興味深い講義録の集大成である。
哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にも有益な講義である。
第四巻では,マルタとマリアの物語と,生と死というすべての人にとって避けられない問題,謎について考察する。
第Ⅰ部は福音書にある「マルタとマリアの問題」で,受難への道を歩むイエスがマルタとマリアの姉妹の家に迎えられる。マルタはイエスの食事や接待に立ち働き,マリアはイエスの足もとに座り話に聞き入った。マルタはイエスにそれについて不満を述べたが,イエスはマリアを褒めた。この物語は,マリアを観想的生活,マルタを行動的生活として伝統的に理解されていた。しかし著者はイエスは姉妹を差別せずに,それぞれが自分を見つめて振る舞ったものとして,姉妹に等しい愛を注いだと考えたのである。
第Ⅱ部の「生と死の問題」では,人生において「死の経験」だけは経験できないため,神話で多くの物語が語られ,儀式や祭として今日まで引き継がれてきた。
そこでは身体は滅びるが,魂は不死であり永遠に生きると考えられた。身体が滅びた後には何も残らないという唯物論者による見方と,魂は存続するという見方を著者は丹念に追究する。残るのは普遍的な一つの魂か,それとも個人のための多数の魂かが焦点となった。カントの普遍的な魂を紹介するとともに,キリスト教における神の創造を基盤とする個人の存在に根差した個人の魂が残ることを明らかにする。「死の経験」とは何か,重要なテーマが問われた。

目次

凡例
まえがき
第Ⅰ部 マルタとマリアの問題
 第一編 マルタとマリア
 第二編 マルタとマリア
第Ⅱ部 生と死の問題
第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察
 第一編 二つの恵み,生と死
 第二編 生と死
 第三編 魂の不死と人間の尊厳
 第四編 生死の問題――死んだらどうなるか

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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年09月 、430p 、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く,興味深い講義録の集大成である。 哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にも有益な講義である。 第四巻では,マルタとマリアの物語と,生と死というすべての人にとって避けられない問題,謎について考察する。 第Ⅰ部は福音書にある「マルタとマリアの問題」で,受難への道を歩むイエスがマルタとマリアの姉妹の家に迎えられる。マルタはイエスの食事や接待に立ち働き,マリアはイエスの足もとに座り話に聞き入った。マルタはイエスにそれについて不満を述べたが,イエスはマリアを褒めた。この物語は,マリアを観想的生活,マルタを行動的生活として伝統的に理解されていた。しかし著者はイエスは姉妹を差別せずに,それぞれが自分を見つめて振る舞ったものとして,姉妹に等しい愛を注いだと考えたのである。 第Ⅱ部の「生と死の問題」では,人生において「死の経験」だけは経験できないため,神話で多くの物語が語られ,儀式や祭として今日まで引き継がれてきた。 そこでは身体は滅びるが,魂は不死であり永遠に生きると考えられた。身体が滅びた後には何も残らないという唯物論者による見方と,魂は存続するという見方を著者は丹念に追究する。残るのは普遍的な一つの魂か,それとも個人のための多数の魂かが焦点となった。カントの普遍的な魂を紹介するとともに,キリスト教における神の創造を基盤とする個人の存在に根差した個人の魂が残ることを明らかにする。「死の経験」とは何か,重要なテーマが問われた。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 マルタとマリアの問題  第一編 マルタとマリア  第二編 マルタとマリア 第Ⅱ部 生と死の問題 第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察  第一編 二つの恵み,生と死  第二編 生と死  第三編 魂の不死と人間の尊厳  第四編 生死の問題――死んだらどうなるか 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第五巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,850
山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年10月、400p、46判
本講義は著者が名古屋に移ってから,12年にわたる教養科目を中心にした講義の集大成である。著者自身の生の根本に関わる問題意識を直截に展開した内容である。
「自分とは何か」に始まり,自愛と他愛をめぐる「愛」の諸問題,また「他者」や「共感」の問題,さらに「生死」の問題,そしてニヒリズムにも関わる「世界の意味」や「人間的行為」を主導する理性の役割の問題など,全5巻にわたり倫理学の多様な問題群が取り上げられる。
著者の問いが新たな問いを生み,その探究の行程をたどる読者も読み進めるうちに知らず知らず問題を探究し思索することへと誘われる。著者の問題は読者と共有され,探究そのものが読者の喜びになる。読み終えた後も読者の心に問題が課題として残り,さらなる思索へと誘う不思議な体験となろう。人がものを考える,哲学することが,無意識に身体化されるのである。
本巻のⅠ部「世界の意味」では「私」が「世界」に意味を与え,私が世界の源泉である。したがって死は意味を付与した根原が消失し,世界も意味を失う。人の臨終で「世界は無意味」となるが,「私の原点」のさらなる原点はないのか。存在とは何かが問われる。Ⅱ部「行為と能力」とⅢ部「人間的行為と人間の行為」では,人間が「自己の行為の主」であるがゆえに「人間的行為」が論じられ,自己の行為は意志と理性により支えられる。意志は倫理・道徳に,理性は倫理と現代の先端科学技術に関わる。Ⅳ部「善のラチオについて」では「共通認識」は対話により,「普遍認識」は真実の経験により成立する。最後の講演「マルタとマリア」ではイエスがこの姉妹をどう見たかを語る。

目次

凡例
まえがき
第Ⅰ部 世界の意味
第Ⅱ部 行為と能力――トマス『神学大全』第一部第七八問一―三項,第二部の一,第一問一項を中心に
第Ⅲ部 人間的行為と人間の行為――トマス『神学大全』第二部の一,第一問一項を中心に
第Ⅳ部 善のラチオについて

講演 マルタとマリア

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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年10月 、400p 、46判
本講義は著者が名古屋に移ってから,12年にわたる教養科目を中心にした講義の集大成である。著者自身の生の根本に関わる問題意識を直截に展開した内容である。 「自分とは何か」に始まり,自愛と他愛をめぐる「愛」の諸問題,また「他者」や「共感」の問題,さらに「生死」の問題,そしてニヒリズムにも関わる「世界の意味」や「人間的行為」を主導する理性の役割の問題など,全5巻にわたり倫理学の多様な問題群が取り上げられる。 著者の問いが新たな問いを生み,その探究の行程をたどる読者も読み進めるうちに知らず知らず問題を探究し思索することへと誘われる。著者の問題は読者と共有され,探究そのものが読者の喜びになる。読み終えた後も読者の心に問題が課題として残り,さらなる思索へと誘う不思議な体験となろう。人がものを考える,哲学することが,無意識に身体化されるのである。 本巻のⅠ部「世界の意味」では「私」が「世界」に意味を与え,私が世界の源泉である。したがって死は意味を付与した根原が消失し,世界も意味を失う。人の臨終で「世界は無意味」となるが,「私の原点」のさらなる原点はないのか。存在とは何かが問われる。Ⅱ部「行為と能力」とⅢ部「人間的行為と人間の行為」では,人間が「自己の行為の主」であるがゆえに「人間的行為」が論じられ,自己の行為は意志と理性により支えられる。意志は倫理・道徳に,理性は倫理と現代の先端科学技術に関わる。Ⅳ部「善のラチオについて」では「共通認識」は対話により,「普遍認識」は真実の経験により成立する。最後の講演「マルタとマリア」ではイエスがこの姉妹をどう見たかを語る。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 世界の意味 第Ⅱ部 行為と能力――トマス『神学大全』第一部第七八問一―三項,第二部の一,第一問一項を中心に 第Ⅲ部 人間的行為と人間の行為――トマス『神学大全』第二部の一,第一問一項を中心に 第Ⅳ部 善のラチオについて 講演 マルタとマリア 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第三巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
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山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年07月、488p、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く語った興味深い講義録の集大成。
哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても有益な講義である。
第二巻では愛の自明性と曖昧性という二面性を語ったうえで「愛とは何か」を問い,愛の三形態であるエロス,ピリア,アガペーのうち,エロスを中心に考察された。
本巻ではこれら三つの愛の特徴と相互関係を総合的に論じた上で,キリスト教の「アガペー」を中心に語られる。
イエスは律法学者から最も重要な律法とは何かを問われ,第一に「心を尽くし,精神を尽くし,思いを尽くして神を愛しなさい」,第二に「隣人を自分のように愛しなさい」と答えた。イエスがこれら二つの掟の深い意味と関係について説くと,律法学者はイエスに反感を抱いた。
エルサレムへの途上の村で,皮膚病を患っている十人がイエスを迎えて癒しを乞うた。病が癒され彼らは喜んで去って行った。ところがその中から異邦人のサマリア人が,神を賛美しながら戻ってきて,イエスの足もとにひれ伏して感謝した。他の人は戻らず,イエスはその人に「あなたの信仰があなたを救った」と言って立ち去らせた。
ある人がエルサレムから下ってくる時に追剝ぎに襲われ,半殺しにされた。祭司やレビ人は知らぬ顔で通りすぎたが,一人のサマリア人がこれを見て憐れに思い介抱した。イエスはこの話を律法学者に話し,隣人とは何かを問うた。
著者はこれらの話から三つの愛とは「自愛」「他愛」とそれらを介した「交流愛」であることを明らかにし,律法と福音の違い,そして神への愛について丁寧に深く考察する。

目次

凡例
まえがき
第Ⅰ部 アガペーとエロス
第Ⅱ部 キリスト教的愛について――自分のように人を愛するとは? 三つの愛,エロス,アガペー,愛の交わり
第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察
第Ⅳ部 律法における倫理
第Ⅴ部 キリスト教と愛
第Ⅵ部 自分のように人を愛するとはいかなることか
第Ⅶ部 二つの掟と新しい掟

納入までに3週間ほどかかります。
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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年07月 、488p 、46判
京都大学を退職後,南山大学などで教養科目として倫理学を担当し,分かり易く語った興味深い講義録の集大成。 哲学・倫理学の学識と豊かな知見に支えられた講義は,学生たちを魅了した。研究者にとっても有益な講義である。 第二巻では愛の自明性と曖昧性という二面性を語ったうえで「愛とは何か」を問い,愛の三形態であるエロス,ピリア,アガペーのうち,エロスを中心に考察された。 本巻ではこれら三つの愛の特徴と相互関係を総合的に論じた上で,キリスト教の「アガペー」を中心に語られる。 イエスは律法学者から最も重要な律法とは何かを問われ,第一に「心を尽くし,精神を尽くし,思いを尽くして神を愛しなさい」,第二に「隣人を自分のように愛しなさい」と答えた。イエスがこれら二つの掟の深い意味と関係について説くと,律法学者はイエスに反感を抱いた。 エルサレムへの途上の村で,皮膚病を患っている十人がイエスを迎えて癒しを乞うた。病が癒され彼らは喜んで去って行った。ところがその中から異邦人のサマリア人が,神を賛美しながら戻ってきて,イエスの足もとにひれ伏して感謝した。他の人は戻らず,イエスはその人に「あなたの信仰があなたを救った」と言って立ち去らせた。 ある人がエルサレムから下ってくる時に追剝ぎに襲われ,半殺しにされた。祭司やレビ人は知らぬ顔で通りすぎたが,一人のサマリア人がこれを見て憐れに思い介抱した。イエスはこの話を律法学者に話し,隣人とは何かを問うた。 著者はこれらの話から三つの愛とは「自愛」「他愛」とそれらを介した「交流愛」であることを明らかにし,律法と福音の違い,そして神への愛について丁寧に深く考察する。 目次 凡例 まえがき 第Ⅰ部 アガペーとエロス 第Ⅱ部 キリスト教的愛について――自分のように人を愛するとは? 三つの愛,エロス,アガペー,愛の交わり 第Ⅲ部 二つの掟,特に第二の掟について生じる諸問題の考察 第Ⅳ部 律法における倫理 第Ⅴ部 キリスト教と愛 第Ⅵ部 自分のように人を愛するとはいかなることか 第Ⅶ部 二つの掟と新しい掟 納入までに3週間ほどかかります。

倫理学講義 第一巻 倫理学講義(全5巻)

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
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山田晶(著), 小浜善信(編)、知泉書館、2025年01月、496p、46判
著者は1985(昭和60)年に京都大学を定年退職した後,南山大学で教鞭を執るが,そこでテーマは自分で選び自由に語る教養科目の講義を要請された。京大では専門科目しか教えなかったので迷ったが,若い人たちに興味を与え,分かり易く語ることを熟慮して話されたのがこのシリーズである。哲学・倫理学の深い学識と膨大な知識に裏付けられた講義は,多くの学生を魅了した。学生ばかりか研究者も,学問と人生を知るために,今日でも読まれるべき名講義。
本巻では,まず「私とは何か」を問う。これは哲学の根本で,人間にとって最も大切なことである。「A子の話」と「捨八の話」ではナルシシズムと劣等感に苛まれた二人について物語風に語りながら,「真の自己」を知らないためにあやまちと不幸に見舞われる姿を鮮やかに描き出す。
次に愛をテーマに「自愛と他愛」を語る。人が最も愛しているのは自分自身で,愛の根元は「自愛」である。物や人に対する愛も所有する愛なので,いずれも自愛に還元される。そこで自分を愛することと自分を了解することが問題となる。高校生の娘が母親を殺した事件をもとに,母娘の心に生じる葛藤の推移と結末とを心理小説風に描き,「愛と了解」そして「愛と他者理解」の真相を考察する。
最後に「疎外の問題」を論じる。疎外とは,マルクスがヘーゲルの『精神現象学』から転用し,経済学の概念として労働者が「疎外」されていく実態を分析した言葉だが,疎外の現実は「仲間外れにする,される」ことである。そこで「仲間の構造」について,家族や友人・知人から様々な社会集団,国家に至る多様性を通して明らかにされる。

目次

凡例
まえがき
  序論――自分を知るとはいかなることか
  第一章 私とは何者であるか
  第二章 私に分からなくなる私
  第三章 私の探求の課題である私
第Ⅰ部 A子の話
 A子の話――ナルシスとナルシズムについて
第Ⅱ部 捨八の話
 捨八の話
第Ⅲ部 愛の諸形態
 一 愛と対象
 二 愛と了解
 三 愛と共感
第Ⅳ部 疎外の問題
 疎外の問題
あとがき
解説
総目次
索引

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3,850
山田晶(著), 小浜善信(編) 、知泉書館 、2025年01月 、496p 、46判
著者は1985(昭和60)年に京都大学を定年退職した後,南山大学で教鞭を執るが,そこでテーマは自分で選び自由に語る教養科目の講義を要請された。京大では専門科目しか教えなかったので迷ったが,若い人たちに興味を与え,分かり易く語ることを熟慮して話されたのがこのシリーズである。哲学・倫理学の深い学識と膨大な知識に裏付けられた講義は,多くの学生を魅了した。学生ばかりか研究者も,学問と人生を知るために,今日でも読まれるべき名講義。 本巻では,まず「私とは何か」を問う。これは哲学の根本で,人間にとって最も大切なことである。「A子の話」と「捨八の話」ではナルシシズムと劣等感に苛まれた二人について物語風に語りながら,「真の自己」を知らないためにあやまちと不幸に見舞われる姿を鮮やかに描き出す。 次に愛をテーマに「自愛と他愛」を語る。人が最も愛しているのは自分自身で,愛の根元は「自愛」である。物や人に対する愛も所有する愛なので,いずれも自愛に還元される。そこで自分を愛することと自分を了解することが問題となる。高校生の娘が母親を殺した事件をもとに,母娘の心に生じる葛藤の推移と結末とを心理小説風に描き,「愛と了解」そして「愛と他者理解」の真相を考察する。 最後に「疎外の問題」を論じる。疎外とは,マルクスがヘーゲルの『精神現象学』から転用し,経済学の概念として労働者が「疎外」されていく実態を分析した言葉だが,疎外の現実は「仲間外れにする,される」ことである。そこで「仲間の構造」について,家族や友人・知人から様々な社会集団,国家に至る多様性を通して明らかにされる。 目次 凡例 まえがき   序論――自分を知るとはいかなることか   第一章 私とは何者であるか   第二章 私に分からなくなる私   第三章 私の探求の課題である私 第Ⅰ部 A子の話  A子の話――ナルシスとナルシズムについて 第Ⅱ部 捨八の話  捨八の話 第Ⅲ部 愛の諸形態  一 愛と対象  二 愛と了解  三 愛と共感 第Ⅳ部 疎外の問題  疎外の問題 あとがき 解説 総目次 索引 納入までに3週間ほどかかります。

中世と近世のあいだ 14世紀におけるスコラ学と神秘思想

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
上智大学中世思想研究所 編、知泉書館、2007/06/30、576p、A5
中世文化は13世紀の盛期スコラ学において思想的頂点に達したのち,14世紀には危機と転換の時代を迎えた。社会的には経済危機や人口減少,市民階級の勃興と封建体制の動揺,さらにペストや東方からの脅威に加え,領邦国家が神聖ローマ帝国に対する独立性を強め,教皇権力の求心力も弱体化しつつあった。
これら社会環境の変化に伴い,学問言語であるラテン語による知的統一は俗語の成長と大学の設立により弱まり,個別科学の優勢とともに形而上学的体系が批判され,スコラ学は解体されていく。また学問と信仰,言語と実在,世界への結びつきと内面性といった問題群が時代の課題となった。
本書は吟味可能な確実性と経験可能な真理を模索しながら,普遍的知識や自己実現の新たな規範を打ち建てる精神活動が一挙に花開く14世紀の多様な思想潮流を,〈宗教・神秘思想〉〈スコラ学・自然学思想〉〈東方キリスト教思想〉の三つの視角から本格的に考察した画期的業績である。

目次

第1部 宗教・神秘思想(ダンテと哲学―『饗宴』と『神曲』を中心として;ルルスの思想と近代;フライベルクのディートリヒの知性論;マイスター・エックハルトの思想―神の荒野と一者神論;ハインリヒ・ゾイゼとドイツ神秘思潮―マクデブルクのメヒティルトからテルステーゲンへ;ザクセンのルドルフスの霊性とその近代への影響;リュースブルクにおける二面性)

第2部 スコラ学・自然学思想(ガンのヘンリクスとフォンテーヌのゴドフロワの思想;ドゥンス・スコトゥスにおける真理認識の基礎づけ;十四世紀のスコトゥス学派の思想―偽カムプザルのリカルドゥスの代示(スポジチオ)論と個体化の理論
オッカムにおける形象不要論
アダム・デ・ヴォデハムの思想
ジョン・ウィクリフの思想
十四世紀の論理学―現代論理学とどう違っているのか
中世後期の視覚理論の形成)

第3部 東方キリスト教思想(十四世紀ビザンツの哲学的・神学的状況―ヘシュカズムを中心に;十四・十五世紀西欧の学問へのビザンツの影響)

納入までに3週間ほどかかります。
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上智大学中世思想研究所 編 、知泉書館 、2007/06/30 、576p 、A5
中世文化は13世紀の盛期スコラ学において思想的頂点に達したのち,14世紀には危機と転換の時代を迎えた。社会的には経済危機や人口減少,市民階級の勃興と封建体制の動揺,さらにペストや東方からの脅威に加え,領邦国家が神聖ローマ帝国に対する独立性を強め,教皇権力の求心力も弱体化しつつあった。 これら社会環境の変化に伴い,学問言語であるラテン語による知的統一は俗語の成長と大学の設立により弱まり,個別科学の優勢とともに形而上学的体系が批判され,スコラ学は解体されていく。また学問と信仰,言語と実在,世界への結びつきと内面性といった問題群が時代の課題となった。 本書は吟味可能な確実性と経験可能な真理を模索しながら,普遍的知識や自己実現の新たな規範を打ち建てる精神活動が一挙に花開く14世紀の多様な思想潮流を,〈宗教・神秘思想〉〈スコラ学・自然学思想〉〈東方キリスト教思想〉の三つの視角から本格的に考察した画期的業績である。 目次 第1部 宗教・神秘思想(ダンテと哲学―『饗宴』と『神曲』を中心として;ルルスの思想と近代;フライベルクのディートリヒの知性論;マイスター・エックハルトの思想―神の荒野と一者神論;ハインリヒ・ゾイゼとドイツ神秘思潮―マクデブルクのメヒティルトからテルステーゲンへ;ザクセンのルドルフスの霊性とその近代への影響;リュースブルクにおける二面性) 第2部 スコラ学・自然学思想(ガンのヘンリクスとフォンテーヌのゴドフロワの思想;ドゥンス・スコトゥスにおける真理認識の基礎づけ;十四世紀のスコトゥス学派の思想―偽カムプザルのリカルドゥスの代示(スポジチオ)論と個体化の理論 オッカムにおける形象不要論 アダム・デ・ヴォデハムの思想 ジョン・ウィクリフの思想 十四世紀の論理学―現代論理学とどう違っているのか 中世後期の視覚理論の形成) 第3部 東方キリスト教思想(十四世紀ビザンツの哲学的・神学的状況―ヘシュカズムを中心に;十四・十五世紀西欧の学問へのビザンツの影響) 納入までに3週間ほどかかります。

アウグスティヌスと古代教養の終焉

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
12,100
アンリ・イレネ・マルー(著), 岩村清太(訳)、知泉書館、2008/05/30、800p、A5
ギリシアの教養パイデイアが,ローマ世界に普及しラテン化するとともに,異教と神話に起源をもつ自由学芸が,キリスト教と融合していかに西欧中世へと移植可能になったか?
この問いに対しギリシア・ローマの教養を身につけそのキリスト教化を図った代表的人物アウグスティヌスの業績の具体的な分析を通して解明する。彼の生涯はそれ自体が古代自由学芸の実態とその変容を体現していた。アウグスティヌスはアフリカで苦学して自由学芸を修め,文法教師,修辞学教師として活躍,自由学芸の教科書の執筆も手掛けた。
彼は新プラトン主義に導かれキリスト教に入信,司教,博士としてキリスト教徒の知的霊的指導に尽くしつつ,古代の自由学芸を聖書注解,神学,説教といったキリスト教的知的活動に積極的に応用した。キリスト教と自由学芸双方を神の知恵にいたる同一の知的体系の中に位置づけ,キリスト教的知的社会における自由学芸に市民権を与えたが,同時にキリスト教もその摂取をとおしてラテン化された。
古代教養人の知的活動を支えた自由学芸の内容と変容を解明した名著を達意の訳文で実現した待望の書。

目次

第Ⅰ部 すぐれた弁論家にして博識の人アウグスティヌス
第1章 文学的教養 文法
第2章 ギリシア語の知識
第3章 修辞学
第4章 デカダン期の教養人
第5章 博識とその起源
第6章 アウグスティヌスの博識

第Ⅱ部 知恵の探究
第1章 哲学への回心
第2章 学問の課程
第3章 七自由学芸と,?ΓΚΥΚΛΙΟΣ ΠΑΙΔΕΙΑ,百科全書的知識
第4章 アウグスティヌスにおける自由学芸
第5章 哲学志向の自由学芸 1 確実な論証
第6章 哲学志向の自由学芸 2 魂の鍛錬

第Ⅲ部 キリスト教の教え
第1章 キリスト教的教養の始まり
第2章 キリスト教的教養の大枠
第3章 キリスト教的知識人の形成
第4章 アウグスティヌスにおけるキリスト教的予備教養
第5章 聖書とデカダン期の教養
第6章 キリスト教的雄弁術

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12,100
アンリ・イレネ・マルー(著), 岩村清太(訳) 、知泉書館 、2008/05/30 、800p 、A5
ギリシアの教養パイデイアが,ローマ世界に普及しラテン化するとともに,異教と神話に起源をもつ自由学芸が,キリスト教と融合していかに西欧中世へと移植可能になったか? この問いに対しギリシア・ローマの教養を身につけそのキリスト教化を図った代表的人物アウグスティヌスの業績の具体的な分析を通して解明する。彼の生涯はそれ自体が古代自由学芸の実態とその変容を体現していた。アウグスティヌスはアフリカで苦学して自由学芸を修め,文法教師,修辞学教師として活躍,自由学芸の教科書の執筆も手掛けた。 彼は新プラトン主義に導かれキリスト教に入信,司教,博士としてキリスト教徒の知的霊的指導に尽くしつつ,古代の自由学芸を聖書注解,神学,説教といったキリスト教的知的活動に積極的に応用した。キリスト教と自由学芸双方を神の知恵にいたる同一の知的体系の中に位置づけ,キリスト教的知的社会における自由学芸に市民権を与えたが,同時にキリスト教もその摂取をとおしてラテン化された。 古代教養人の知的活動を支えた自由学芸の内容と変容を解明した名著を達意の訳文で実現した待望の書。 目次 第Ⅰ部 すぐれた弁論家にして博識の人アウグスティヌス 第1章 文学的教養 文法 第2章 ギリシア語の知識 第3章 修辞学 第4章 デカダン期の教養人 第5章 博識とその起源 第6章 アウグスティヌスの博識 第Ⅱ部 知恵の探究 第1章 哲学への回心 第2章 学問の課程 第3章 七自由学芸と,?ΓΚΥΚΛΙΟΣ ΠΑΙΔΕΙΑ,百科全書的知識 第4章 アウグスティヌスにおける自由学芸 第5章 哲学志向の自由学芸 1 確実な論証 第6章 哲学志向の自由学芸 2 魂の鍛錬 第Ⅲ部 キリスト教の教え 第1章 キリスト教的教養の始まり 第2章 キリスト教的教養の大枠 第3章 キリスト教的知識人の形成 第4章 アウグスティヌスにおけるキリスト教的予備教養 第5章 聖書とデカダン期の教養 第6章 キリスト教的雄弁術 納入までに3週間ほどかかります。

旧ソ連の北朝鮮経済資料集

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
20,900
木村 光彦 編、知泉書館、2011/01/31、516p、B5
本書は1946年から65年にわたる20年間の北朝鮮経済に関する旧ソ連の内部文書である。原資料はモスクワのロシア公文書館(外務省公文書館,国立経済公文書館)所蔵になる。本資料集は編者がとくに興味深い70編を邦訳し,時代順に配した。
ここに収録した資料群の内容は朝鮮戦争時までのものが充実しているが,ただ日本の統治を否定的に叙述する一方,北朝鮮経済の再建に対するソ連の貢献を過度に強調している点に注意が必要である。50年代後半からは細かな技術文書が主で経済関係のものは少ない。これは金日成の独自路線により北朝鮮全体をカバーする内部情報をソ連が得る機会が失われていたからであろう。しかしこのような技術文書は当時のソ連,北朝鮮の技術水準を測る重要な資料であり,今日的な観点からも貴重である。
資料1-9は金融状況や土地改革法案,さらに商業,金融,農業,鉱工業を通して生産減少,物資不足が伝えられ,ソ連軍が北朝鮮の鉱産物を戦利品として自国に搬出した事実が示される。
資料10-21では1947年貨幣改革関連の文書と1948年の財政,金融,産業関連の文書により産業の復興状況が詳述され,また北朝鮮とソ連の合弁会社,鉄道事業の概要が記されている。
資料22-33は1950年の産業,財政,輸送関連の文書で,ウラン鉱のひとつモザナイトが大量に北朝鮮からソ連に搬送された。また北朝鮮軍がソウル住民50万人を北に連行する命令や朝鮮戦争初期の空襲被害と対策が記されている。
資料34-45は1951-52年の財政金融,鉱工業,鉄道輸送,兵器工場,商業,発電所,援助協約の文書である。それらにより米軍の空爆下,北朝鮮の軍需生産の努力が明らかにされる。
資料46-55は1953-54年の文書で産業,戦争被害,技術援助の実態が記され,地下兵器工場の建設にソ連技術者が従事した。
資料56-70は1956-65年の文書で,北朝鮮の農業統計の不備や金日成のトウモロコシ重視政策の起源,一連の朝鮮?ソ連科学技術協力委員会による技術移転も失敗したことが示された。

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木村 光彦 編 、知泉書館 、2011/01/31 、516p 、B5
本書は1946年から65年にわたる20年間の北朝鮮経済に関する旧ソ連の内部文書である。原資料はモスクワのロシア公文書館(外務省公文書館,国立経済公文書館)所蔵になる。本資料集は編者がとくに興味深い70編を邦訳し,時代順に配した。 ここに収録した資料群の内容は朝鮮戦争時までのものが充実しているが,ただ日本の統治を否定的に叙述する一方,北朝鮮経済の再建に対するソ連の貢献を過度に強調している点に注意が必要である。50年代後半からは細かな技術文書が主で経済関係のものは少ない。これは金日成の独自路線により北朝鮮全体をカバーする内部情報をソ連が得る機会が失われていたからであろう。しかしこのような技術文書は当時のソ連,北朝鮮の技術水準を測る重要な資料であり,今日的な観点からも貴重である。 資料1-9は金融状況や土地改革法案,さらに商業,金融,農業,鉱工業を通して生産減少,物資不足が伝えられ,ソ連軍が北朝鮮の鉱産物を戦利品として自国に搬出した事実が示される。 資料10-21では1947年貨幣改革関連の文書と1948年の財政,金融,産業関連の文書により産業の復興状況が詳述され,また北朝鮮とソ連の合弁会社,鉄道事業の概要が記されている。 資料22-33は1950年の産業,財政,輸送関連の文書で,ウラン鉱のひとつモザナイトが大量に北朝鮮からソ連に搬送された。また北朝鮮軍がソウル住民50万人を北に連行する命令や朝鮮戦争初期の空襲被害と対策が記されている。 資料34-45は1951-52年の財政金融,鉱工業,鉄道輸送,兵器工場,商業,発電所,援助協約の文書である。それらにより米軍の空爆下,北朝鮮の軍需生産の努力が明らかにされる。 資料46-55は1953-54年の文書で産業,戦争被害,技術援助の実態が記され,地下兵器工場の建設にソ連技術者が従事した。 資料56-70は1956-65年の文書で,北朝鮮の農業統計の不備や金日成のトウモロコシ重視政策の起源,一連の朝鮮?ソ連科学技術協力委員会による技術移転も失敗したことが示された。 納入までに3週間ほどかかります。

中国の秘密結社と演劇

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
6,490
田仲 一成、知泉書館、2024年11月、456p、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。
上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。
下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。
さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。
演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。

目次

(カラー口絵4頁)

前言

上篇 青幇と演劇の関係
第1章 「青幇」の沿革と組織
第2章 民国期上海の青幇
第3章 青幇人物小伝
第3節 俳優
上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景

下篇 紅幇と劇界
第1章 南洋における天地会会党
第2章 シンガポールに残る天地会の遺風
第3章 香港に残る天地会の遺風
第4章 天地会会党と演劇

総結 中国の秘密結社と皇帝権力

附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料
附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻
参考文献目録
あとがき
索引
英文目次


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6,490
田仲 一成 、知泉書館 、2024年11月 、456p 、菊判
近代中国には青幇・紅幇と呼ばれる秘密結社が存在した。戦時中,日本軍が上海を統治する際,協力を得ようとしたのもこの秘密結社であった。本書はこれまで十分研究されてこなかった中国の秘密結社と演劇の関係を初めて解明した先駆的業績である。果たして秘密結社とはどのように誕生し,演劇とどのように結び付いたのか。 上篇では,青幇と演劇の関係を論じる。華北・華中の青幇は,大運河を使い南方の米を北京に運んだ糧米船の水手を起源とする。著者は,日本の興亜院調査班として上海で青幇の調査に従事した増谷達之輔の報告を,その基礎資料と合わせて綿密に精査して,劇場経営の賭けごと的要素と上海租界の治安維持という問題が青幇と演劇人を結び付けたことを解明する。 下篇では,華南の紅幇と劇界の関係を,現地調査に基づき分析する。洪門や天地会とも呼ばれる紅幇は,広東の珠江デルタの水路を,赤く塗った大型舟艇で移動しながら反清活動を行ったことに由来する。長い間謎に包まれてきたシンガポール社公廟に祀られた人物像の解明,香港の廟にみる装飾の発見,戯船である紅船の復元図,粤劇の演目など複数の要素を手がかりに,演劇との関係を追究する。中国の秘密結社は,劇場や遊郭を経営した日本の任侠集団とも類似するが,権力の転覆を狙い徹底的に弾圧を受けた点に決定的な特徴があった。 さらに潮州語の歌集『呉忠恕全歌』の梗概と原文を付す。 演劇を巡る社会構造のみならず,当時の壮絶な人生を伝えて余りある,陰の中国近現代史としても魅力的作品。 目次 (カラー口絵4頁) 前言 上篇 青幇と演劇の関係 第1章 「青幇」の沿革と組織 第2章 民国期上海の青幇 第3章 青幇人物小伝 第3節 俳優 上篇 結語 上海劇壇が青幇と関係を持つ社会的背景 下篇 紅幇と劇界 第1章 南洋における天地会会党 第2章 シンガポールに残る天地会の遺風 第3章 香港に残る天地会の遺風 第4章 天地会会党と演劇 総結 中国の秘密結社と皇帝権力 附録Ⅰ 青幇主要人物伝記資料 附録Ⅱ 潮州歌冊『呉忠恕全歌』8巻 参考文献目録 あとがき 索引 英文目次 納入までに3週間ほどかかります。

ハイデッガー=リッカート往復書簡 1912-1933 知泉学術叢書35

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
3,960
アルフレート・デンカー(編), 渡辺和典(訳)、知泉書館、2025年1月、232p、新書
若きハイデッガーの師弟関係というと現象学の祖フッサールとの関係が語られることが多い。しかし,それ以前より始まる新カント派のリッカートとの師弟関係はどれほど知られているだろうか。
この関係を抜きにして『存在と時間』(1927年)へ至る初期ハイデッガーの思想形成を紐解くことはできない。本書はハイデッガーとリッカートとの約20年間にわたる43通の往復書簡を収録。
この書簡集ではハイデッガーの修学期,1900年代初頭に隆盛を極めていた新カント派の研究と批判により自らの思索を練り上げていった姿を垣間見ることができる。
またハイデッガーのカトリック教会との関係や就職問題,フィンケ,E. ラスク,フッサール,そしてヤスパースとの関係など,実存的な状況も綴られており,「大哲学者」というだけではない側面もうかがい知れる。
さらにハイデッガーの研究発表の資料や講演「問いと判断」,さらに学位論文への主査A. シュナイダーの論評など貴重な「文書資料」も収録。
本書は,かつて日本で多くの翻訳・研究が出されていた新カント派の視点からハイデッガーの思索の現場を照らし,これまで見過ごされてきた思想的鉱脈を見つけるきっかけとなろう。さらに新カント派が時代を担った意味を再考するための有意義な資料である。

目次

凡例

書簡
 ハイデッガーからリッカートへ(31通)
 リッカートからハイデッガーへ(12通)

文書資料
 ハイデッガー「自然科学的概念形成の諸限界を超えるための試み」
   (1913/14冬学期)
 ハイデッガー「問いと判断」
   (1915年7月10日)
 ハイデッガー 学位申請書
   (1913年6月30日)
 ハイデッガー 履歴書と宣誓書
   (1913年6月30日)
 シュナイダー「ハイデッガー氏の学位論文に関する所見」
   (1913年7月10日)
 ハイデッガー 教授資格志願者
   (1915年7月2日)
 リッカート「ハイデッガー博士の教授資格論文に関する所見」
   (1915年7月19日)

編者あとがき
書簡で言及された著作

訳者解説
訳者あとがき
人名索引

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アルフレート・デンカー(編), 渡辺和典(訳) 、知泉書館 、2025年1月 、232p 、新書
若きハイデッガーの師弟関係というと現象学の祖フッサールとの関係が語られることが多い。しかし,それ以前より始まる新カント派のリッカートとの師弟関係はどれほど知られているだろうか。 この関係を抜きにして『存在と時間』(1927年)へ至る初期ハイデッガーの思想形成を紐解くことはできない。本書はハイデッガーとリッカートとの約20年間にわたる43通の往復書簡を収録。 この書簡集ではハイデッガーの修学期,1900年代初頭に隆盛を極めていた新カント派の研究と批判により自らの思索を練り上げていった姿を垣間見ることができる。 またハイデッガーのカトリック教会との関係や就職問題,フィンケ,E. ラスク,フッサール,そしてヤスパースとの関係など,実存的な状況も綴られており,「大哲学者」というだけではない側面もうかがい知れる。 さらにハイデッガーの研究発表の資料や講演「問いと判断」,さらに学位論文への主査A. シュナイダーの論評など貴重な「文書資料」も収録。 本書は,かつて日本で多くの翻訳・研究が出されていた新カント派の視点からハイデッガーの思索の現場を照らし,これまで見過ごされてきた思想的鉱脈を見つけるきっかけとなろう。さらに新カント派が時代を担った意味を再考するための有意義な資料である。 目次 凡例 書簡  ハイデッガーからリッカートへ(31通)  リッカートからハイデッガーへ(12通) 文書資料  ハイデッガー「自然科学的概念形成の諸限界を超えるための試み」    (1913/14冬学期)  ハイデッガー「問いと判断」    (1915年7月10日)  ハイデッガー 学位申請書    (1913年6月30日)  ハイデッガー 履歴書と宣誓書    (1913年6月30日)  シュナイダー「ハイデッガー氏の学位論文に関する所見」    (1913年7月10日)  ハイデッガー 教授資格志願者    (1915年7月2日)  リッカート「ハイデッガー博士の教授資格論文に関する所見」    (1915年7月19日) 編者あとがき 書簡で言及された著作 訳者解説 訳者あとがき 人名索引 納入までに3週間ほどかかります。

ヘーゲルハンドブック: 生涯・作品・学派

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 福岡県福岡市博多区中呉服町
16,940
ヴァルター・イェシュケ 著/神山伸弘・久保陽一・座小田豊・島崎隆・高山守・山口誠一 監訳、知泉書館、・・・
ヘーゲル哲学の現代性とは何か? それは形而上学を批判して論理学に置き換え,「自然哲学」を構想し,人間学や法と国家の理解,また歴史の思想や芸術,宗教の哲学,そして哲学史を思想そのものの発展と見なす考え方に現れている。ヘーゲルの思想は過去のものではなく,現代思想の一つの重要な基準点である。

しかし今日の思想がヘーゲルと切り離されているのは,ヘーゲルの時代を歴史化し,19世紀半ばの「ドイツ観念論の崩壊」以来,「現代的」思想による実証主義的な簡略化と精神的な力の消滅による。思考を経験科学に限定する「現代的」なやり方にとり,精神や理性は古臭く,効用と機能への現代的関心の障害となる。だがヘーゲル哲学は,現代を理解するためだけでなく,時代を象徴する独断的な簡略化と硬直化を理解するのにも役立つ。

本書はヘーゲルの著作の発展史の概観と,ヘーゲルが提示し解決しようとした体系的な諸問題の概観を与え,最近の研究を位置づける試みである。著者は批判版ヘーゲル全集の編集を主導し,その研究はドイツ古典哲学全般に及ぶ。本書は文献学的歴史的研究の立場からテキスト・クリティーク,発展史,概念史,背景事情,影響史など最新の研究成果に基づいて,バランスの取れた斬新な解釈を展開する。確かなテキストに拠って,難解な内容を読み解くとともに,概念史から発展史,研究史に関する該博な知識を駆使,膨大な研究蓄積をも見渡して書かれた驚嘆すべき画期的な手引書である。ヘーゲル研究のみならず近代哲学の研究者にとっても本書は無視することができない基本文献となろう。

内容は生涯,作品,学派からなり,主要部である〈作品〉は,最初に記録された草稿や著作から最後の刊行物に至るまでを発展史的に叙述した前半部と,「エンツュクロペディー」の順序である論理学―自然哲学―精神哲学に従い,後期の講義において素描された「体系」を叙述した後半部より成る。また〈学派〉では1815-48年の三月革命期のヘーゲル学派の論争過程に焦点を絞って「影響の最初の決定的な局面」を考察し,その影響史の射程を定める。

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16,940
ヴァルター・イェシュケ 著/神山伸弘・久保陽一・座小田豊・島崎隆・高山守・山口誠一 監訳 、知泉書館 、2016/06/20 、750p 、B5
ヘーゲル哲学の現代性とは何か? それは形而上学を批判して論理学に置き換え,「自然哲学」を構想し,人間学や法と国家の理解,また歴史の思想や芸術,宗教の哲学,そして哲学史を思想そのものの発展と見なす考え方に現れている。ヘーゲルの思想は過去のものではなく,現代思想の一つの重要な基準点である。 しかし今日の思想がヘーゲルと切り離されているのは,ヘーゲルの時代を歴史化し,19世紀半ばの「ドイツ観念論の崩壊」以来,「現代的」思想による実証主義的な簡略化と精神的な力の消滅による。思考を経験科学に限定する「現代的」なやり方にとり,精神や理性は古臭く,効用と機能への現代的関心の障害となる。だがヘーゲル哲学は,現代を理解するためだけでなく,時代を象徴する独断的な簡略化と硬直化を理解するのにも役立つ。 本書はヘーゲルの著作の発展史の概観と,ヘーゲルが提示し解決しようとした体系的な諸問題の概観を与え,最近の研究を位置づける試みである。著者は批判版ヘーゲル全集の編集を主導し,その研究はドイツ古典哲学全般に及ぶ。本書は文献学的歴史的研究の立場からテキスト・クリティーク,発展史,概念史,背景事情,影響史など最新の研究成果に基づいて,バランスの取れた斬新な解釈を展開する。確かなテキストに拠って,難解な内容を読み解くとともに,概念史から発展史,研究史に関する該博な知識を駆使,膨大な研究蓄積をも見渡して書かれた驚嘆すべき画期的な手引書である。ヘーゲル研究のみならず近代哲学の研究者にとっても本書は無視することができない基本文献となろう。 内容は生涯,作品,学派からなり,主要部である〈作品〉は,最初に記録された草稿や著作から最後の刊行物に至るまでを発展史的に叙述した前半部と,「エンツュクロペディー」の順序である論理学―自然哲学―精神哲学に従い,後期の講義において素描された「体系」を叙述した後半部より成る。また〈学派〉では1815-48年の三月革命期のヘーゲル学派の論争過程に焦点を絞って「影響の最初の決定的な局面」を考察し,その影響史の射程を定める。 納入までに3週間ほどかかります。

意味と時間 フッサールにおける意味の最根源への遡行

中国書店
 福岡県福岡市博多区中呉服町
9,900
高野 孝 著、知泉書館、2025、622p、菊判
意味は『論理学研究』において最も重要な課題であり,フッサールは意味を現象学研究における根本的な主題の一つと考え,その探求は現象学研究の歩みと共にあった。
特に意味を時間という問題領域の中に捉えることにより,意味の最根源に至る道が開かれた。意味を時間との密接な関係,意味の様々な時間性を探求することにより,深化の道を辿ったのである。
意味探求の独自性は,言語活動で遂行される意味作用と意味志向を充実させる直観作用との関連を通して,直観的意味と言語的意味の発生を捉えることにある。
言語的意味の理解にとって重要なのは意味付与作用の相関者としての言語的意味という意味概念の導入と,名辞的作用に対し述定的作用の優位性の解明である。
それでは意味は時間との関係のなかで如何に発生するのか。時間は意識によって構成される。ここでは能動的次元ではなく自我の関与しない受動的次元において,時間構成との関わりの中で意味の発生について考察され,言語的意味の生成が明らかにされる。
次に時間的意味がどのように生成され,言語的意味はどのように遍時間的になるのかが問われる。直観的意味と言語的意味が発生する過程を経て,能動的な直観的意味や言語的な意味も受動的意味を根源として発生することが解明される。
著者による厳密で周到な分析により,複雑な様相を呈する意味と時間の関係を明らかにした貴重な業績である。
目次
凡例
はじめに
序論
第一部 静態的探究
第一章 スペチエスとしての意義
第二章 相関者としての意義――新たな意義概念の導入
第三章 相関者としての意味の時間性
第二部 発生的探究
第一編 受動的次元を土台とする能動的次元における探究
第一章 意味の根源への遡行
第二章 直観的意味から言語的意味へ
第三章 意味の遍時間性は如何にして成立するか
第二編 受動的次元における探究
第一章 共時間的意味の発生――意味と生き生きした現在
第二章 意味の背景としての類型――音素を具体例とした探究
第三章 意味と類型――意味と過去―現在―未来
第四章 先時間的意味と本能――フッサールにおける意味の最根源
結語
あとがき
参考文献
索引
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高野 孝 著 、知泉書館 、2025 、622p 、菊判
意味は『論理学研究』において最も重要な課題であり,フッサールは意味を現象学研究における根本的な主題の一つと考え,その探求は現象学研究の歩みと共にあった。 特に意味を時間という問題領域の中に捉えることにより,意味の最根源に至る道が開かれた。意味を時間との密接な関係,意味の様々な時間性を探求することにより,深化の道を辿ったのである。 意味探求の独自性は,言語活動で遂行される意味作用と意味志向を充実させる直観作用との関連を通して,直観的意味と言語的意味の発生を捉えることにある。 言語的意味の理解にとって重要なのは意味付与作用の相関者としての言語的意味という意味概念の導入と,名辞的作用に対し述定的作用の優位性の解明である。 それでは意味は時間との関係のなかで如何に発生するのか。時間は意識によって構成される。ここでは能動的次元ではなく自我の関与しない受動的次元において,時間構成との関わりの中で意味の発生について考察され,言語的意味の生成が明らかにされる。 次に時間的意味がどのように生成され,言語的意味はどのように遍時間的になるのかが問われる。直観的意味と言語的意味が発生する過程を経て,能動的な直観的意味や言語的な意味も受動的意味を根源として発生することが解明される。 著者による厳密で周到な分析により,複雑な様相を呈する意味と時間の関係を明らかにした貴重な業績である。 目次 凡例 はじめに 序論 第一部 静態的探究 第一章 スペチエスとしての意義 第二章 相関者としての意義――新たな意義概念の導入 第三章 相関者としての意味の時間性 第二部 発生的探究 第一編 受動的次元を土台とする能動的次元における探究 第一章 意味の根源への遡行 第二章 直観的意味から言語的意味へ 第三章 意味の遍時間性は如何にして成立するか 第二編 受動的次元における探究 第一章 共時間的意味の発生――意味と生き生きした現在 第二章 意味の背景としての類型――音素を具体例とした探究 第三章 意味と類型――意味と過去―現在―未来 第四章 先時間的意味と本能――フッサールにおける意味の最根源 結語 あとがき 参考文献 索引

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