¥1,010
、石橋財団
、1997
、170p
、25x28cm
私は1930年41歳の頃から永年にわたり, 私の趣味でフランス印象派を中
心とする絵画や, 古代から近代に至る西洋の彫刻, 工芸品などを熱心に蒐
集し今日に至りました。 そしてこの間に集ったこの貴重な文化財を自分だけ
の楽しみに秘蔵するよりも,これを一般に公開して文化振興に寄与したい
と, かねて念願しておりましたところ, さいわい1952年に, 私の経営してお
りますプリヂストンタイヤ会社の本社ビルディングを, 東京都中央区京橋1丁
目に新築する機会を得ましたので, その2階に 「ブリヂストン美術館」を創設
し, 運営委員会を設置しました。 「ブリヂストン」という名称は,私の姓 「石
橋」を英語に語訳したものであります。
さらに1959年には、 設備拡充のため二倍の広さに増築し, 総床面積
2,645平方メートルとなし, 五つの展示室, 彫刻陳列の中央廊下, 図書
室, 資料室,会議室, 貴賓室, 事務室, 倉庫, ブリヂストンホール (講
堂)を設け, エヤーコンディショニングと防火設備, 特別設計による照明設
備などを施して、鑑賞と保存のために万全の措置を講じました。 また1956
年,私は文化と教育の育成事業を目的とする財団法人石橋財団を設立し,
ブリヂストン美術館を同財団の所管と致しました。 なお当美術館に関連した
業績としては,1956年, 私の郷里福岡県久留米市に, 美術, 音楽,体育
など文化振興のため, 石橋文化センターを建設し,同市に寄贈した際、
石橋美術館を創設し, 当美術館の分館として運営しております。
同年6月、私は日本政府の要請に基づき, イタリアのヴェニス市で行うビ
エンナーレ国際美術展の日本館を建設して, 同市に寄贈しました。 1962
年,フランス国立美術館総局の招請に応じ, 日本大使館の協力の下に, 5
月4日から6月24日までパリの国立近代美術館に於て石橋コレクション展を開
催し、好評を博しました。 1960年6月, フランス国家からレジオン・ドヌール
勲章,1961年10月, イタリア国家からグランデ・ウフィッチアーレ勲章を贈ら
れ,まことに光栄に思っております。