小沢昭一 著、芸術生活社、昭和48年1月、279p、19cm
初版 函 帯付 本体にカバー付 函背と天少ヤケ 帯ヤケ無し ホンタイカバーヤケ無し 本体三方少シミ 本体天と地ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 後ろ見返し下に、燃合浦と記名に書き込みありますが保存状態良好です。
我が家に獅子舞が来たのはいつのことだったか。確か30年前くらい?以後、来ることはなかったのだが、この「断絶」も本書を読むと得心がいく。要は伝承の困難ということなのだが。
門付芸、女相撲、浪花節、足芸、ストリップ・・・・・
民衆の伝統芸能といっても、博物館入りするような代物ではない。いや、そのような扱いを拒絶されるような代物ばかりをこの本では扱う。キーワードは遊芸稼人だ。芸があり、生計が成り立つ、というのは基本線であるにしても、アソビがない芸人はバランスが悪い。旅の芸人はキビシサツラサセツナサばかりでは、ない。そこに遊び半分がなければすこぶるバランスを欠くのだ。
とはいえ、このような芸人たちへの世間の目、卑賤視への配慮も忘れてはいない。もと「芸人」たちは親族に気遣い、世を忍んで余生を送るものばかり。そこにどう、アプローチをつけ、芸談を引き出すか。小沢のインタビューそれ自体がひとつの芸なのである。