うつろうかたち

初版　カバー端スレ　－愛する人々と風景、その出会いと別れ。失意と再起が駆け巡った時代の切れぎれ。滋味あふれる思索と安らぎの時間に誘うエッセイ。回顧展記念公園、初の「自作を語る」併載。（帯文）　４部構成５４編　－口絵カラー１５図／１・再び拍手（１９編　トナカイ、絵を描いてみたら、ママとカミさん、岬で、コミちゃんのお袋、いつ帰ってくるのか、父の晩年、明日も飛行機は出ますがね、化けそこない、遠くて近い話、顔の写真、優しい賛美歌、宇佐美さんの子犬、郷里の造形に心打たれ、佐伯祐三のメガネ、皮肉なほどに人間好きだった人、具象と仮象のはざまに－パリの金山、年とった学生、海辺にて）　２・時間いっぱい（１３編　自然の背後、“でろり、でれり、でろでろ”、フジタとピンポン台、兵隊たちが描き残した絵、ある図版の作り話、平凡に潜む普遍性、瞬時の姿態から、光の波長をとらえて深く、ぼくの思い込み、絵画の喪失、受賞パーティーの夜、芸術の学校で）　３・せっぱつまって（８編　展覧会というもの、生まれた土地の大きさ、ぼくを変えたパリ、ぼくはもうダメだな、海の見えるアトリエで、絵描きにとっての自由と不自由、私の甕が壊れた、手探りが終わったとき絵が終わる）　４・横向きの景色（１４編　なくなった風景、海峡、遠い島、国境の岩壁、夢の跡、小川のほとり、待つ、運河を渡った日、ビラのある丘、遙かな土地、アトリエの向こう側、王宮の島、お山の方、眼のまえの島）／あとがき・回顧展のあとさき