ロートレアモン 著 ; 石井洋二郎 訳、筑摩書房、2005年2月、503p、15cm
初版 カバー 帯付 カバーヤケ無し 帯ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し保存状態良好の美本です。
本書について、端的に表現する事は非常に難しいです。
また、作者についても、研究は進んでおりますが、未だ判っていない謎の部分が余りに多いです。
19世紀後半のフランスで、「ロートレアモン伯爵」というペンネームを用い、散文詩集『マルドロールの歌』『ポエジー』を遺し、24歳の若さで世を去った詩人、イジドール・デュカス。
彼が残したほぼ「全て」のものが、本書には収録されています。
彼がどんな人物であったか、その正体は、近年研究が進み新しい資料が発見されるまでは、殆ど知られておらず、それ故、ダリら多くの芸術家たちが、空想の肖像画を多く描き残していた程です。
私が大学で学んだ範囲では、このロートレアモン伯爵について、彼が遺したのは先に挙げた「2つの詩集と、1枚の肖像写真、それと6通の書簡だけ」、とされていました。
本書には、ロートレアモン本人の「全身」が写った、たった一枚の貴重な肖像写真、それに加えて、これまで「6通」しか現存しないとされていた書簡に、「もう1通」が加えられた、「全7通」の書簡が収められています。