エーリッヒ・ケストナー作 ; 高橋健二訳、岩波書店、1990年4月、184p、21cm
29刷 函付 箱背少ヤケ 函両面ヤケ無し 本体両表紙と背ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
お金持ちの家の点子ちゃん(本当の名前はルイーゼ)と母と二人暮らしの貧しいアントンの友情物語。
お金持ち=意地悪、貧乏な人=親切。
普通の子供向けの本ならば、こんな風にステロタイプに分けてしまいがちですが、さすがのケストナーはそんな事はしていません。
お金持ちの中にだって、いい人もいるし、悪い人もいる。
お金持ちじゃない人の中にも、いい人もいるし、悪い人もいる。
こんな当たり前のことをしっかり踏まえていているからこそ、長く読み継がれているのでしょう。
色々な方がケストナーを訳されていますが、私は高橋健二氏の訳をお薦めします。
「菊版の手帳」「かも足犬」「蚤とりまなこ」等々。
今は殆ど使われなくなってしまった言葉で、今の子供達には分からないかもしれません。
それでも独特の雰囲気のある文章を、ぜひ今の子供達にも味わってもらいたいと思います。
(頑固かもしれませんが、子供の本の最近の訳は、脆弱な文章になってきている気がします)
勿論、今の大人たちにも。