高田衛 監修 服部仁/佐藤至子 編・校訂、国書刊行会、2015/07、1,326p、菊判
謀反により滅亡した肥後の豪族尾形氏の遺児・周馬弘行は、家臣の働きで信濃に逃れ、太郎として成長、ある晩、雷獣を捕えたことから雷太郎の異名をとる。その後、太郎は妙香山中で蝦蟇の精霊仙素道人から妖術を授かり、義賊・児雷也を名乗り、黒姫山に山塞を構え、妖術を駆使して、尾方家再興を志す。児雷也の前には、大蛇から生を享けた宿敵大蛇丸が現れ、尾方氏の血をひく怪力の美女綱手とともに、児雷也(蝦蟇)・大蛇丸(蛇)・綱手(蛞蝓)の三すくみの戦いが繰り広げられる。
いっぽう、鎌倉管領足利持氏打倒を図る執権犬懸禅秀は、持氏の伯父満隆、甲斐の豪族浦冨士輝景と共謀、さらに大蛇丸とも手を結び、謀反の旗を揚げる。禅秀謀反の報に接した児雷也は、管領足利持氏の元に馳せ参じ、禅秀討伐の策謀をめぐらす。信濃更科家、越後月影家、駿河今川家をも巻き込んで火蓋が切られた戦いの行方は? 児雷也と大蛇丸の宿命の対決の結末ははたして?
歌舞伎や映画、講談、浮世絵からマンガに至るまで、さまざまな媒体に登場し、また大きな影響を与え続ける、蝦蟇の妖術の使い手にして永遠の「ヒーロー」児雷也の活躍を、複雑かつ怪奇に絡み合う筋立てと、遠大かつ雄渾なスケールのなかに描きだした、江戸期合巻中の最高峰が、原本の全挿絵とともについによみがえる。京極夏彦氏、延広真治氏推薦。
[上巻]
凡例
主な登場人物
初編
二編
三編
四編
五編
六編
七編
八編
九編
十編
十一編
十二編
十三編
十四編
十五編
十六編
十七編
十八編
十九編
二十編
二十一編
二十二編
二十三編
二十四編
二十五編
[下巻]
二十六編
二十七編
二十八編
二十九編
三十編
三十一編
三十二編
三十三編
三十四編
三十五編
三十六編
三十七編
三十八編
三十九編
四十編
四十一編
四十二編
四十三編
拾遺(続帝国文庫本)
底本一覧
解説
『児雷也豪傑譚』解題(佐藤至子)
「ジライヤ」の流行の変遷(服部 仁)
『緑林自来也実録』について(佐藤至子)
自来也・児雷也浮世絵仮目録(服部 仁)
主要参考文献
謝辞
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