奈良県立美術館 編、奈良県、1990、188p、26cm
開催にあたって
奈良県では,一昨年開催した「なら・シルクロード博」で育ま
れた国際文化交流を更に着実に発展させる一環として, 日本
と諸外国の優れた美術品の交換展覧会を計画していますが,
このたびその第一回展を, ソビエト国立エルミタージュ美術
館との間で開催することになりました。
周知のように, エルミタージュ美術館は大英博物館やルー
ヴル美術館と並び称される世界でも屈指の美術館であり,270
万点におよぶといわれる館蔵品を古都レニングラードの雄大
なロシア・バロックの宮殿建築に収めた威容は,まさに "世界
の美の宝庫” というにふさわしいものがありましょう。
今回出品されるのは,交換展であるために特にイタリア・ル
ネサンスの巨匠ラファエロの「聖家族」の展観が実現したほか,
ティツィアーノ, クラナッハ, ベラスケス, ルーベンス, ヴ
ァン・ダイク, レンブラントなど, 16c-17c.ヨーロッパ絵画
史上不滅の巨星たちの名作, そして, プッサンからドラロー
シュ, コロー, ミレー, ルノワールなどを経て、今世紀のピ
カソに至るフランス近代絵画の多彩な展開まで,エルミター
ジュ美術館が誇るヨーロッパ絵画の精華を集大成した油彩画
50点・版画30点に, カノーヴァ, ロダンなど絵画と同時代の彫
刻の名品13点を加えた, 都合93点で構成されています。
大半がわが国で初公開されるこれら数々の名作が語りかけ
る美の世界は,皆様に深い感銘を与え、豊かな心の糧となる
とともに, 奈良とソビエトの文化交流と親善を促進する一助
になるものと確信いたしております。
本展の開催にあたり, 貴重な作品を快くご出品下さったエ
ルミタージュ美術館の格別のご高配と, 共催いただいたソビ
エト文化省, 読売新聞大阪本社, 読売テレビに敬意を表しま
す。 また, ご後援をいただいた外務省, 文化庁,在日ソビエ
ト大使館をはじめ、関係各位に厚くお礼申し上げます。
1990年10月
奈良県知事
上田繁潔
グラシン紙包装にてお届け致します。