上野修 著、筑摩書房、2014年6月、309p、15cm
初版 カバー付 カバーヤケ無し kバー世付近少スレあり カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
本書は、全三部から構成されています。
第一部は、当初NHK出版から発行されていた『スピノザ ―「無神論者」は宗教を肯定できるか』の再掲載です
。感動の「批評空間」やスピノザ協会年報などに掲載された関連論考5本を再構成して掲載しています。 第三部は、「現代思想」等に掲載された現代思想(アルチュセール
&ネグリ) ●結論から言うと、第一部が
一番面白いです。
実際に『神学政治論』を読む準備としてだけなら、ここだけ読んでおけば良いかも(あとはオマケ) )。
スピノザというと、無神論者と侮られてキリスト教徒から迫害された…のような俗っぽいイメージが強いが、とりあえずこれが覆され、非常に関心を持ってます
。スピノザを攻撃したのは、哲学する自由を称揚するはずのデカルト主義者たちであり、『神学政治論』を禁書化しようとしたのは、リベラル志向の政府市民だったのだ
。謎をどんどん実現して話が展開されますが、とにかく面白い!
スピノザへの入門書として、本書の第一部と、共著者の『スピノザの世界 ―神とか自然』は必読だと思いました●
第二部では、第一部で十分に話されなかった…というより滲みだった勢いが論じられています。ただ、各章で内容が重複していたりツギハギ感が見られたりで
、統一感に欠けているのでちょっと興が減る気も…真面目に読んだのに、と同じこと言ってるだけじゃん! みたいなことが度々あったので
。
スピノザが尽きない思想の源泉になっていることを感じられる内容です。