[監修] 長木誠司 [監修] ヘルマン・ゴチェフスキ [監修] 前島志保 他、ゆまに書房、2017年・・・
戦前期、関西モダニズム運動を牽引し、中心的役割を果たした総合文化雑誌、第Ⅱ期・戦中篇。
大阪朝日会館(以下「会館」)は1926年(大正15年)10月から1962年(昭和37年)10月まで大阪・中之島に存在し、「大阪の文化の中心」「文化の殿堂」と称されていた総合文化施設である。会館は母体の新聞社とは一定の距離を保ちながら、独自の公演、上演、展覧会、講演会など多彩な活動を展開し、関西の近代文化史において重要な役割を果たした。
ここから1931年(昭和6年)に創刊された雑誌が、『会館芸術』(〜1953年〈昭和28年〉/全222冊 朝日新聞社会事業団)である。同誌は会館の機関誌として出発したものの、創刊後数年で、音楽、舞踊、演劇、映画、美術、写真の解説・評論記事から、短編・長編小説、国内外の著名人の随想・インタビュー、各国の文化事情の紹介までを盛り込んだ総合文化雑誌に発展した。その後様々に名前や規模を変えつつも1953年(昭和28年)までの長期にわたって発行され、一時期は全国展開も計画されていた『会館芸術』は、同時代の「阪神間モダニズム」とも相通じており、東京一極集中ではない近代日本の文化活動の在り方を示す好例と言える。全集未収録の著名人の作品・評論も多数掲載している本誌は、戦前から戦後にかけての様々な分野の展開に関する貴重な資料でもある。
【本書の特色】
●内容は、美術、映画、写真、演劇、舞踊、音楽、文学、評論、国内外の著名人の随想、落語、各国の文化事情の紹介等々、様々な分野にわたる資料の宝庫。
●全集未収録の作品や評論も多数収録する極めて貴重な資料群である。
●音楽:藤原義江、朝比奈隆、山田耕筰/演劇:千田是也/映画:淀川長治/文学:井伏鱒二、与謝野晶子/美術:藤田嗣治/舞踊:伊藤道郎等々、錚々たる執筆陣による第一級資料。
●現存するものが極めて少なく、なかなか見ることのできない極めて稀少な雑誌である。
●各巻巻末に「朝日会館・会館芸術研究会」による詳細な解説付。
●第24巻には『会館芸術』の後継誌『七月の朝日会館』『大阪文化』『厚生文化』を収録。
第1回配本 全6巻(揃定価118,800円)
ISBN9784843352267
第2回配本 全7巻(揃定価138,600円)
ISBN9784843352274
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