生野銀山史の概説

￥850

• 出版社 シルバー生野
• 刊行年 1986.4
• ページ数 34ｐ
• サイズ 21ｃｍ
• 状態 中古品
• 解説 生野銀山史の概説
  序文
  生野銀山の開坑年代については、大同二年
  (八〇七)と伝えられている。しかしこの時代を
  確認するだけの史料文献は何も発見されてはい
  ない。
  延喜元年(九〇一) 八月に、藤原時平が上った
  という「延喜格」について、「但馬考」の著者は
  「延喜雑式に日、凡そ対馬の銀は百姓の私に操
  るに任せ、但馬の国司は此例に非ず」或いはま
  た「両朝平壌録」の但馬国の項に「此処銀ヲ出
  ス」とあるのをとって、これらをもって「但馬
  国」を直に生野銀山と想定する一部学説には疑
  問がある。
  今これらの解明は省略するが、例えば山神社
  縁起にしても「生野ノ里ヨリ銀出ル事、世二
  大同ノ頃ト言伝へドモ慥カニ記セルモノ無シ」
  とあり、この縁起の書かれた元祿時代にあって
  すら確証は挙げておらず、口碑としての説に過
  ぎない。
  今仮りに大同二年開坑したと推測して見ても、
  室町後期までの約七世紀の間に於ける歴史は全
  く不明である
  生野銀山館スタンプ押印
  少ヤケ