フィリップ・ヴァルテール 著 ; 渡邉浩司, 渡邉裕美子 訳、原書房、2015年6月、298, 34・・・
3刷 カバー付 カバー背少入りアセ カバー両面ヤケ無し 本体三方ヤケ無し 線引き無し 書き込み無し 保存状態良好です。
本書はキリスト教の祝祭日に焦点をあて、キリスト教が異教の要素をいかに取りこんでいったかを明らかにした名著です。ここでの異教とは、ギリシア、ローマ、ゲルマン、ケルトなどの古代教を指していますが、本書では主にケルトが取り上げられています。古代教の多くは多神教でありキリスト教は一神教ですから、キリスト教が古代教を取り込むのは難しく思われますが、実は中世のキリスト教世界で書かれた多くの聖人伝こそが、異教の多神教の痕跡を多く留めているのです。キリスト教の多くの聖人たちは、古代教(異教)の八百万の神に対応すると言ってよいでしょう。本書では多くの聖人伝が取り上げられており、異教の記憶が明らかにされています。
本書の原著(フランス語)は2003年に公刊されていますが、今では英訳、スペイン語訳、ポーランド語訳、クロアチア語訳、ルーマニア語訳、ポルトガル語訳もあり、世界的に評価が高いことの証です。邦訳は2007年に初めて出ましたが、2015年には第3刷が出ており、ロングセラーとして愛されています。