アーネスト・ゲルナー 著 ; 加藤節 監訳、岩波書店、2001年3月、254p、20cm
2刷 カバー付 カバーヤケ無し 本体三方ヤケ無 線引き無し書き込み無し 保存状態良好です。
ナショナリズムの本質は何か。この難問に、英国哲学界の巨人ゲルナーが、政治社会学、社会人類学などの該博な知識を駆使して解明を試みる。「第一級のナショナリズム研究書」として高く評価されてきた名著の翻訳。
本当に名著だった。
分業の進んだ産業社会の構成員は流動的かつ均質的で、この均質性は国家による教育によって保証、再生産される。教育によって育まれた文化はやはり均質性を備えており国民に共有され、人々の職業だったり居住だったりの流動性を確保、維持する。この流動性の限界がおそらく文化の及ぶ範囲というやつで、その範囲内に育まれた共有文化としての歴史を持っている人たちを指して民族(近代的な感じの民族)という。なので、この近代的な意味においての民族が政治的な単位と重なろうとすることをナショナリズムと言うのだろう。
少し難しかったので正しく読み解けているか自信がないが、もし上記の内容が概ね合っているようであれば、かなりお勧めできる。
なぜなら本書では、民族や文化、社会の特性を説明していく上で、かなり的確に現代社会の構造を示してくれているからだ。