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近代中国都市案内集成 北京・天津編(全13巻)

中国書店

¥311,300

  • 著者 吉澤誠一郎 監修・解説
  • 出版社 ゆまに書房
  • 刊行年 2012
  • ISBN 9784843339213
  • 解説 近代日本人の「中国イメージ」の探究と日中関係史研究のための基礎的文献集。 上海編に続く第2弾。北京と天津を収録。

    監修にあたって      東京大学准教授 吉澤誠一郎
     北京と天津とは、近代の日本人に独特の体験をもたらした都市だった。北京は、辛亥革命以後も、かつて明清王朝の都だったことによる風格を保ち、日本とは大いに異なる皇帝政治の遺産に富むことで、あまたの日本人を魅了した。天津は、日本も含む多くの国々の租界が設定された港町であり、また中国政府の支配区域も含めて、地区ごとの多様性という点では中国でも随一だった。
     たとえば、1921年には、芥川龍之介が中国を約4か月間遍歴し、そのなかで北京や天津も訪れている。このときの紀行文や書簡には、芥川流の真剣な知的戯れのなかに、現地に対する所感が示されている。彼は、西洋化された上海に対しては罵倒の限りをつくしていたが、伝統の重みを感じさせる北京の雰囲気には親しみを覚えたという。天津から帰国の途に就くときには、租界の近代的街並みを前にして、むしろ北京に帰りたいとする気持ちを、機知に満ちた言い方で表明していた。
     今回、ゆまに書房から復刻される『近代中国都市案内集成 北京・天津編』もまた、近代日本人の北京・天津体験について理解するのに非常に有益な材料を多く含んでいる。芥川の文学的な筆致とは異なり、これらのむしろ実用的な意図で編集された都市案内は、当時の日本人の散文的な経験をよく伝えてくれるからである。
     今回のシリーズに収録されているなかにも、いくつか異なったタイプの書物が見られる。たとえば『北京誌』『天津誌』は、義和団事件後に設けられた清国駐屯軍司令部が編纂した一種の地誌である。非常に詳しく網羅的にそれぞれの都市の全体像を描こうとしており、清末の北京・天津を論じる場合には必ず参照すべき著作といえる。また、1922年再版の『天津北京案内』は、ビジネスや観光を目的として訪問する人々に対するガイドブックであり、大正時代における日本人の中国理解がもった傾向と限界とをよく示している。
     これら書物の成立が、華北において日本が有した政治的・軍事的・経済的なプレゼンスとも深い関係があることは、いうまでもない。

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