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初版　Ｂ６判　２２０Ｐ　帯　カバ　美本　保存状態良好　

初版Ｂ帯2011年2400円四六判220頁

初版 カバー　帯 「状態・良い」

初版　 カバー付　 カバーヤケ無し　本体三方ヤケ無し　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好です。

《幻想と深い味わいの短編集》
ホメロスの作とされる傑作叙事詩『オデュッセイア』は、英雄オデュッセウスがトロイア戦争から帰国するまでの冒険の旅を詠ったもので、当時の伝承の数々をとりこんでつくられたと見られている。とすれば当然、採用されなかった話や別バージョンもあったことだろう----そこから本書は始まる。
ホメロスの詠ったイタケの王オデュッセウスは、女神アテナの寵愛あつく知略で知られ、トロイア戦争では巨大な木馬を使ってギリシア軍を勝利に導いた。だが、船で帰国する途中、海神ポセイドンの怒りをかい、何年も海上をさまようはめになる。美しい歌で船乗りを惑わすセイレンや魔女など、数々の困難にあい部下も船も失ったすえにようやく帰国し、20年もの留守のあいだ妻につきまとっていた求婚者らを、すべて討ち果たしたのだった。
本作のオデュッセウスは、戦場で自分の分身にでくわしたり、死んだアキレウスの身代わりにロボットをこしらえたり、妻の浮気を発見したりと、驚きの新冒険をくりひろげる。意表をつく展開やみごとなオチが描き出す、人生の哀しみや人間心理の微妙な綾がしみじみと味わい深い。ボルヘスやイタロ・カルヴィーノの作風に連なる、奇想と幻想に満ちた短編集である。