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ナンシー関 著、朝日新聞社、216p、15cm

初版１刷、送料込、書込ナシ、線引ナシ、カバー、帯

ナンシー関の「秘宝耳」は、2001年に文藝春秋から刊行されたエッセイ集です。こちらも週刊朝日に連載されていた人気コラム「小耳にはさもう」からのセレクションで、「耳のこり」「耳部長」に続く「耳シリーズ」の第三弾となります。

タイトルは、世間の些細な情報やテレビの断片的な情報を「小耳にはさむ」という連載のコンセプトを基に、それらの情報の中に埋もれた、ナンシー関にとって価値ある「秘宝」のような面白い発見や視点が含まれている、という意味合いが込められていると考えられます。

本書では、2000年から2001年頃のテレビ番組、芸能人の動向、社会現象などを、彼女ならではの鋭い観察眼と独特のユーモアで批評しています。当時話題となったドラマやバラエティ番組、注目を集めた人物などに対し、容赦ないながらも的を射たツッコミや分析を展開しています。

また、消しゴム版画家としての彼女の才能も随所に発揮されており、本文を飾る味わい深いイラストも魅力の一つです。ナンシー関の文章とイラストが一体となり、彼女ならではの独特な批評の世界を作り上げています。

「秘宝耳」は、ナンシー関の鋭い視点とユーモアセンスが光る一冊であり、当時のテレビ文化や世相を彼女独自のフィルターを通して捉えた貴重な記録と言えるでしょう。彼女のファンはもちろん、当時の社会やメディアに関心のある読者にとっても興味深い内容となっています。

昭文社、159