全榮來 [著]、全州市立博物館、1987-5、26cm、26cm
東アジア磨製石器研究序説
全榮來
目次
1.序 言
2. 方法論の展開
3.各論
① 有柄式石劍
② 有莖式石劍
3石 鏃
4 石刀
5. 結 言
4 石刀
5.抉入石斧
6 環狀石斧
1.序言
東アジア大陸とその周邊は,新石器時代以来、大體,三つの生活パターンに分け
られるが,それぞれ,早くから磨製石器が出現している、磨製石器は,農耕生活
に伴なう道具が主流をなすが、狩猟具 武器としても案され, 青銅武器の登場
と共に,石器でこれを模作, 代用するようにもなった。
農耕生産は、高度の技術を要するので、石器も、用途に依って形態が分化し,
組合せ關係を保つようになる, 従って, 生産技術乃至生產集團の傳播移動は、
石器の組合せ状態で證明でき得るのである.
東アジアにおいて, 農耕文化、特に稲作文化の來源に関しては,従来, 諸説が錯
綜している, 南方渡來説 華南から東支那海渡來 韓半島經由説などであった,
稻品種の育種學的研究によって, 南方渡來説は影が薄らんできたけれども、尚, 東支那海渡
來説と、韓半島經由説は,對立の形勢にある, 半島經由説も、半島に寄着した路に
付いて異説があった。揚子江口から西南岸,又は金海デルタ地帯へ 山東半島あたり
から西海岸へ渤海灣を迂して西北地方へといった状態である.
このような, 稻作萠芽期の傳播経路を追究する方法の一つとして, 石器をとり上げ
る研究法がある、既に, 九州大學を中心とする諸先學によって, 日本稲作文化萌芽期
遺跡から出土する石器の來源を、 韓半島に求めようとする見解が提唱されてきた。
ある二つの地域において,共通的な石器の組合せ關係を示した場合、その石器の展
開を把握し、先後關係を編年することによつて, 文化の傳播運動、即ち、移動經路を
追究することが可能である, 石器の研究は,このように、重要な文化史的意義を有するものである
他
少ヤケ