監修:出月康夫・桜井健司、日本医師会、1988-06、364p、26cm
序
日本医師会の生涯教育制度は本制度に移行してはや1年を経過した。 本年4月
からその第2年度を迎えて、 現在, 勤務医を含めた全会員の昭和62年度の合計学
習時間, およびその方法・形式別の時間の申告 報告を受けているところであり,
その成果が大いに期待される. 会員各自はもとより, 都道府県医師会,郡市区医
師会のご努力に敬意を表する次第である。
医師の生涯教育においては, 病診連携のなかで, 日進月歩の新しい医学・医療
技術を修得し,最新の医療機器に自ら手をふれ体験することが大切であるのはも
ちろんであるが,診療の第一線に立つ臨床医としては,常に基本的な疾患理解,
手技に立ちかえることも必要であろう。
その意味で本書「小外科マニュアル」では臨床医が外来で遭遇しやすい外科的
疾患とその治療, また滅菌法や消毒法をはじめとする基本的処置について, きめ
細かく解説してあり、 直接診療の参考となるばかりでなく、 専門医に転送するよ
うな場合の注意,患者への説明に大いに役立てることができるものと考える。
本書が外科・整形外科医のみでなく, 一般臨床医にとって、 必要不可欠な座右
の書として読まれることを希望するものである.
本書の監修および編集には出月康夫 東京大学医学部教授,桜井健司 東京慈恵
会医科大学教授にお願いした。ご多忙にもかかわらず,監修・編集にあたってい
ただいた両先生,および執筆を快く引き受けていただいた50名を超える先生方に
深甚なる謝意を表する次第である。
昭和63年6月
日本医師会長
状態:良