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かばー小よごれ

初版　 カバー付　 カバーヤケ無　本体天と小口少ヤケ　禎ヤケ無　線引き無し　書き込み無し　保存状態良好です。

著者は、若かりし頃にオーストリアを拠点に活動していた。ウィーンを拠点に東欧から地中海にまで、版図が及んでいる。帰国後から現在まで、その生活は、あまり変わらないようだ。滞在中はカメラ店巡りにもいそしみ、それも、続いているようだ。
　本書は、基本は写真集。被写体は、欧州のカメラ流通現場。日本が活動の重点のカメラマンなら、あまりない視点とコンセプトだし、実現できなかった作品集だと考える。それができたのは、生活の中に根差していたからにほかならない。著者は、一時期、カメラ収集家とともに買い付けツアーなるものを企画して実行していたこともあるのだが、欧州事情がわかるようになると個人で渡航しているツワモノも輩出するまでになった。ツアーに参加したことがなくても、一人旅などで、渡欧して、名機を手中にするチャレンジャーも続出した。
　そんなチャレンジャーやハンターたちが、参考書やガイドとして同伴しているのが、本書だという。本書を携えながら、ハンティングする。著者もその事実を知ったときは驚愕したとか。
　それだけ、本書がたぐいまれなる存在だということを実証している。発行から時間が経っていることもあって、現在は入手が著しく難しい。収録されている現場は、もう畳んでいるところもあるかもしれない。でも、フィルムカメラの流通の現場は、変わってはいないとも思う。現在の視点で眺めても興味深い。歴史を感じることができる。郷愁も。