「発熱　　ル・クレジオ 著」の検索結果

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1976年6刷　新潮社　ジャン＝マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ　著
高山鉄男　訳　高松次郎　装幀　ハードカバー　カバー付き
本の状態：やけ強　すれ　カバー折れ跡
著者初の短編集

6刷　 カバー　 帯付　 カバー背と折り返し少ヤケ　オビセ４ヤケ」帯背下レッテリハガシ跡あり　０美両面ヤケ無し　本体三方経年ヤケ　線引き無し　書き込み無し　保存状態並本です。

ル・クレジオ文学、特に初期の前衛的・実験的なル・クレジオ文学の入門書といえば、まあデビュー作の「調書」か、または「大洪水」、さらにはエッセー風に綴られたル・クレジオ文学のエッセンス「物質的恍惚」あたりが候補として挙がるのではないかと思います。
でも、あんがい本作「発熱」のような短編集のほうが、その短い作品の数々の中にル・クレジオ的発想の原点や文学的アプローチの方向性が明瞭かつ直截的に現れていて、入門書として最適かも知れないと感じました。

巻頭の「発熱」は本短編集中最長 (全63ページ) の作品ですが、主人公ロクの熱病に起因する狂気と妻エリザベートの正気の世界との対比が読後、深く印象に残りました。

次の「ボーモンが痛みを知った日」33ページは、そのほとんどのページが、主人公ボーモンの歯痛とそれにともなう妄想によって彩られている。この作品によってル・クレジオが読者に伝えたかったことをひと言でいえば、現代人の酷烈な孤独、あるいは生に付随するやり場のない孤独ーーーということに尽きるのではないか。それほどまでに、夜通し歯痛に苦しむボーモンには救いというものがない。

初版　 カバー　 帯付　カバーヤケ無し　帯ヤケ無し　本体三方少点シミ　本体三方少ヤケ　線引き無し　書き込み無し　保存状態並本です。

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