「表現と介入 : 科学哲学入門 <ちくま学芸文庫>」の検索結果

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科学哲学における一つの重大な問題は「実在論／反実在論」の論争である。
「電子」や「ニュートンの法則」などの、科学が対象とするものは果たして本当に実在するのか、がここでは議論される。
これは古代哲学から現代にいたるまで争われてきたものだが、特に近年は電子やクォークなどといった素粒子・原子核の理論や実験が発達したため、論争は新たな様相を示してきている。
本書は、この「実在論／反実在論」論争を軸にして議論しつつ、クーン以降の科学哲学の概説と論評も同時に行ってくれる。

本書では、まず実在論を「理論に関する実在論」と「対象に関する実在論」とに分ける。
前者は、我々の認識と無関係に「ニュートンの法則」などの理論は独立に真偽が決定可能である、という立場である。
後者は、「電子」などの理論が対象とするものは実際に世界に存在する、という立場である。
筆者は、前者については反実在論を、後者については実在論をとる。