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法医学のミステリー 中公文庫
法医学のミステリー
法医学のミステリー 【中公文庫】
法医学のミステリー ≪中公文庫(わ9-1)≫
法医学のミステリー 中公文庫M260
法医学のミステリー 推理小説でもお馴染みだが、死亡事件では「死因」と「死亡推定時刻」が大きな問題になる。山中湖畔の別荘が全焼して一度に10人の人間が亡くなったという事件を取り上げた章では、この10人が「火事で死んだ」のか「火事の前に死んだ」のかが問題になっている。現場の捜査の結果、死亡した10人の頭蓋骨が割られていることがわかり、残忍な強盗に襲われたのち、別荘に火をつけられたということも考えられた。複数の人物が容疑者として捜査線上に挙げられもした。しかし、法医学者の検査の結果、意外な結論が判明した。 焼死体の場合、「生きている状態で焼かれて死んだ」のか「何らかの原因で死んだ後に焼かれた」のかを明確にしなければならない。そのためには、二つの検査が必要になる。 (1)死体の呼吸に関係のある器官、気管、肺、食道など、を検査し、煤煙の有無、熱気による炎症の有無を調べること。 (2)心臓内の血液について一酸化炭素ヘモグロビンの有無と、存在するならばその量を調べること。 生きているとき、すなわち、呼吸と血液循環をしているときに火災が起これば、煤煙と熱気を吸入し、また、発火と同時に必ず発生する一酸化炭素を吸入する。一酸化炭素は肺で血液中のヘモグロビンと固く結合して一酸化炭素ヘモグロビンとなって体中を循環する。 だから、検査の結果によって次の2つが考えられる。 (1),(2)の検査が陽性⇒火災が起きていたときは生きていた⇒生きている状態で焼かれて死んだ? (1),(2)の検査が陰性⇒火災が起きていたときは死んでいた⇒死んでから焼かれた? このケースでは、(1)の検査は、呼吸器官は焼け方が高度なので判別不能、気管粘膜は清浄という結果が出た。つまり、火災発生以前の死亡の可能性が強まった。だが、それだけでは死亡原因の謎は深まるばかりである。ところが、さらなる解剖検査の結果様々な事実が浮かび上がった。頭部の破裂は高熱が加わったためであること、胃内容はアルコール臭が強いこと、心臓内の血液は腐敗の進行が強いこと、毒物検査の結果は陰性であったこと、などである。さらに(2)の検査の結果が判明し、一酸化炭素ヘモグロビンの含有率が全ヘモグロビンに対して45~75%であることがわかった。ここで、死因が「一酸化炭素中毒死」であるとすぐ決めることはできないと著者は言う。腐敗の進行が強い血液は反応態度が刻々と変
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