「広辞苑」６５年 - 古から現代、さまざまな辞書、辞典、百科

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「広辞苑」６５年 - 古から現代、さまざまな辞書、辞典、百科

特集257 「広辞苑」６５年 - 古から現代、さまざまな辞書、辞典、百科（2020年5月29日〜2020年6月18日ホーム掲載）

1955(昭和30)年5月25日、岩波書店「広辞苑」初版発行。「広辞苑を生んだのは一組の親子だった～」NHK伝説の番組「プロジェクトX」2001(平成13)年6月19日放送の第57回「父と息子執念燃ゆ大辞典」が印象に残っていまして、編集者の新村出さんと息子の猛さんの壮絶な制作秘話が、わかりやすく描かれているドキュメンタリーのひとつではと感じています。新村出さんが退官したのは1936(昭和11)年60歳の時、それから新たな辞書作りに挑んだというのがさらに驚きです。実作業は、ほぼ息子さんの猛さんはじめ、編集経験があまりなかったメンバーとのことで、初版発行は発案から約16年かかったとのことです。広辞苑収録語は約20万語で約2,600ページ、そのボリュームで、ほぼ全ての日本語の意味を解説しましょうなどと、現在の、「続きはウェッブで！」「スマホをかざすと動画が表示されます」といったような、紙面の制限以上に表現が可能で自由な時代から考えると、そのストイックさは想像もできません。紙の印刷であることや、当時は活版印刷でしょうし、活字の大きさや、当然字数などの制限があるのだと思い返しますと、ネット上でダラダラと駄文を繰り広げる自分に、改めて反省するばかりです。