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ボードレール生誕200年 - フランスの詩人、文学を中心に
特集296 ボードレール生誕200年 - フランスの詩人、文学を中心に(2021年4月15日〜2021年4月26日 ホーム掲載)
1821年4月9日、シャルル=ピエール・ボードレール生誕。後のランボー、ヴェルレーヌ、マラルメらに決定的な影響を与えたことから、「近代詩の父」と称される。美学的なセンスは現代にも通じるほど革新的と思われ、それまでのミロのビーナス、モナリザのような伝統的な美を乗り越え、新しい美は「常に奇妙なもの(Le Beau est toujours bizarre)、人を驚かせるもの(étonnant)」と表現。人を驚かせるためには、今まできれいだと思われていなかった、つまり醜いと思われるものを美の対象とした。例えばファッションなら、トラッドやコンサバは均整であることが美しいとされるが、モード系やカジュアルはあえて均整を壊し、破れや穴のようなダメージを与えたりする方が美しかったり、カッコイイというセンスに似ているのではないか。10数年を費やして1857年に唯一の韻文詩集「悪の華」(Les Fleurs du mal)を出版。しかし6篇の詩について公序良俗違反を問われ出版禁止、罰金を科される。3年後に問題の6篇を削除、32編を加えて再版を刊行。象徴主義(サンボリスム:symbolisme)詩の始まりとされ、自然主義やリアリズムなどの客観主義に対して主観的表現を重んじ、想念の世界を象徴的に表現、各国の詩人たちに多大な影響を与えた。
書籍一覧
ピンダロス研究 詩人と祝勝歌の話者 (北海道大学大学院文学研究科 研究叢書 1)
(安西眞)
ポール・ヴァレリー 1871-1945
(ドニ・ベルトレ [著] 松田浩則訳)
若きパルク/魅惑
(ポール・ヴァレリー 中井久夫 訳)
シュルレアリスム宣言・溶ける魚
(アンドレ・ブルトン 巌谷国士 訳)
象徴主義と世紀末芸術
(ハンス・H・ホーフシュテッター/著 種村季弘/訳)
悪魔と反復 ボードレール試解
( 阿部 良雄 著)