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「大日本沿海輿地全図」完成200年 - 地図、鳥瞰図
特集311 「大日本沿海輿地全図」完成200年 - 地図、鳥瞰図(2021年8月16日〜2021年8月30日 ホーム掲載)
1821(文政4)年8月7日(旧暦7月10日) 、伊能忠敬らの「大日本沿海輿地全図」完成。天文学者である高橋至時の長男景保が、忠敬の全国測量事業を監督、全面的に援助する。忠敬の没後、彼の実測をもとに完成。景保はドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトに、保管した伊能図を見せてしまう。シーボルトは、樺太東岸の資料を求めていた景保に、クルーゼンシュテルンの「世界周航記」などを贈り、景保が「大日本沿海輿地全図」の縮図をシーボルトに贈った。地図は禁制品扱いであり、28(文政11)年景保ほか十数名が処分され、翌年景保は獄死、シーボルトは国外追放の上、再渡航禁止の処分を受けた。開国後の61(文久元)年、英海軍の測量艦アクテオン号が、攘夷派を刺激しないようにとの幕府の勧告を無視して沿岸の測量を強行しようとした際、伊能小図の写しを見て驚き、譲ってもらうことで、測量計画を中止したというほどのレベルであった。この写しを元にイギリスで「日本と朝鮮近傍の沿海図」が刊行。これが逆輸入され、67(慶応3)年勝海舟により「大日本国沿海略図」として木版刊行された。伊能図を秘匿する意味がなくなり、幕府開成所も「官板実測日本地図」を発行、小図のみとはいえようやく一般の目に供されるようになった。
書籍一覧
大日本帝國鉄道全図 (鐵道車輌 松井工場) 1:160万
(伊藤筑涯:編輯/逓信省鉄道技師・小山保政:校閲)
大京城府大観
(小野三正編集及作画、石川隆三著作)