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「放浪記」森光子初演から60年 - 演劇、舞台の魅力
特集324 「放浪記」森光子初演から60年 - 演劇、舞台の魅力(2021年11月4日〜2021年11月18日 ホーム掲載)
1961(昭和36)年10月20日、森光子主演による舞台「放浪記」が芸術座で初演。脚本・演出は菊田一夫。音楽は古関裕而。森主演は亡くなるまで変更されなかった。2009(平成21)年の89歳の誕生日に上演2000回を達成、通算2017回を数える。劇中、でんぐり返しをするシーンを見どころとしていた。原作は林芙美子で、関東大震災後頃に始めた日記をもとに、放浪生活の体験を書き綴った自伝的小説。尽くした「島の男」との初恋に破れ、夜店、女工、カフエーの女給などの職を転々とし、ひどい貧乏にもめげず、したたかに生き抜く「私」の物語。1928(昭和3)年、長谷川時雨主宰の「女人芸術」で連載、30(昭和5)年、改造社で単行本刊行。昭和恐慌という世相のなか、ベストセラーとなった。太平洋戦争後、9本の中長編を並行に、新聞・雑誌に連載するなど、かつて原稿の売り込みに苦労したが故に、人気作家でも執筆依頼を断らなかった。1951(昭和26)年47歳の時、過労による心臓麻痺で急逝。依頼を断らなかった背景には、他の女流作家に対する思いもあって、葬儀委員長の川端康成に、弔辞にもかかわらず「故人は、文学的生命を保つため、他に対して、時にはひどいこともしたのでありますが、」と言わせるほどであったようだ。
書籍一覧
劇と映画 第3巻第12号~5巻5号まで揃22冊 (大正14年12月~昭和2年5月)
ヴォルフガング・ボルヒェルト その生涯と作品
(加納邦光)
ミナミ No.50号記念特集号 (南海電車PR誌・南海ホークス・南海電車沿線案内ほか)
(藤沢恒夫・森光子ほか)
紙芝居「鐘の鳴る丘・第三篇」全20枚揃い 原作・菊田一夫/絵画・伊勢田邦彦 昭和23年
魔法の品 売ります ~三幕五場 (岩波の愛蔵版21)(原題「賢い品々」)
(サムイル・マルシャーク/作 湯浅芳子/訳 マイ・ミトゥーリチ/さし絵)