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五・一五事件90年 - 昭和維新、超国家主義
特集350 五・一五事件90年 - 昭和維新、超国家主義(2022年5月16日〜2022年6月2日 ホーム掲載)
1932(昭和7)年5月15日、五・一五事件で、犬養毅首相が殺害される。武装した海軍の青年将校たちが官邸に乱入し、内閣総理大臣犬養毅を殺害した。1930(昭和5)年4月ロンドン海軍軍縮条約を締結した内閣に不満を抱いた一部の海軍将校が、クーデターによる国家改造の計画を抱き始める。当初の計画の中心人物だった藤井斉は、陸海軍共同での決起を目指して陸軍将校や民間の井上日召、西田税、大川周明らと連携し計画を練っていた。しかし時期尚早であるとする陸軍将校(後に二・二六事件を起こすメンバーら)とは決裂、また軍務による制約があり憲兵の監視も受けるなど、十分な活動ができない海軍将校らに見切りをつけた井上日召は、民間人だけでの決起を目指し、この数か月前に血盟団事件を起こすなど、運動は分裂する。藤井も第一次上海事変に出征し、志を果たせないまま戦死、同志がその遺志を引き継ぐこととなる。計画は二転三転し、当初の戒厳令政府設立とその後の軍事政権による国家改造というクーデター構想は実現できず、集団テロ計画になってしまったようだ。
書籍一覧
デカルトの暗号手稿
(アミール・D・アクゼル/著 水谷淳/訳)
昭和動乱期の回想 中谷武世回顧録:昭和維新の源流「猶存社」北一輝・大川周明とその同志達
( 中谷 武世 著)
浜口雄幸 : 政党政治の試験時代
(波多野勝 著)
西田税軍隊手帳 [本人が使用していた記名入りの手帖]
浜口雄幸集 全2冊 論述・講演篇/議会演説篇
(川田 稔・編)