特集363 防災の季節 - 防災、災害の教訓(2022年9月2日〜2022年9月20日 ホーム掲載)
1923(大正12)年9月1日、関東大震災発生。起因となった関東地震はマグニチュード7.9、最大震度6とされている、ただし、当時の最大震度は6までしかなく、被害状況から震度7の地域もあったと推測されている。東京日比谷の旧帝国ホテル新館(ライト館)は、落成披露の当日であったが被害は少なかった。揺れに耐えただけでなく、予算オーバーなどの反対を押し切って建設した正面の防火池が、設計通り功を奏し、火災の延焼を防いだとのこと。設計者のフランク・ロイド・ライトの元で学んだアントニン・レーモンドは、震災後、日本でのモダニズム建築を多く手掛ける。皮肉にも日本での経験から、第二次世界大戦時、焼夷弾の実験のため、日本村と呼ばれる東京下町の木造家屋の街並みを再現する設計を行う。この実験は東京大空襲などで悲惨な被害をもたらし、自伝では日本への愛情と戦争の早期終結への願いで行ったとされるが、ただこの一点は批判の的になった。その後も、日本復興期に様々な建築に尽力、日本人建築家に大きな影響を与えた。
書籍一覧
大正震災志 上・下(附図付)・写真帖
(内務省社会局)
風化と崩壊 第3世代の応用地質 (近未来科学ライブラリー)
(千木良雅弘)
科学史研究 2015年1月号(No.272)
(日本科学史学会/編集・発行 水沢光/論文 藤岡毅・伊東剛史・中澤聡/シンポジウム 有賀暢迪・金山浩司/入門)