-
ホーム
-
特集
-
ケインズ生誕140年 - 経済、経済学のうつりかわり
特集402 ケインズ生誕140年 - 経済、経済学のうつりかわり(2023年8月30日〜2023年9月19日 ホーム掲載)
1883年6月5日、ジョン・メイナード・ケインズ生誕。ケインズは、1929年に始まる世界大恐慌に対する解決策として、金融と財政政策により経済を刺激するよう説き、1936年の著書「雇用・利子および貨幣の一般理論」から展開された。後にサミュエルソンらにより古典派経済学のミクロ経済学と総合され、第二次大戦後の自由主義経済圏の経済政策の基盤となり、ジョン・F・ケネディ政権下での1960年代アメリカの黄金時代を実現した。しかし、その後のオイルショックに端を発するインフレと景気後退の同時進行や、1970年代の高インフレ発生などの諸問題の一因としての責任を問われ反ケインズ経済学からの批判を浴びる。やがてミルトン・フリードマンが唱えたマネタリズム・新自由主義やサプライサイド経済学、合理的期待形成学派などの諸学派が台頭し、「ケインズは死んだ (Death of Keynes)」とまで言われた。反ケインズの立場からは、巨額の双子の赤字を残したレーガノミクスやマネタリストの功績が説かれた。しかしその後の格差社会や一部の富裕層による富の独占などで、フリードマンらの新自由主義もまた致命的な欠陥が明らかになってゆく。最近ではポール・クルーグマンやトマ・ピケティが注目されている。
書籍一覧
ケインズの経済学と価値・分配の理論
(J.イートウェル/M.ミルゲイト編 石橋太郎ほか訳)
産業文明の死 経済成長の限界と先進産業社会の再政治化
(ジョエル・J. カッシオーラ 松野弘 監訳 岡村龍輝、帯谷博明、孫榮振、所伸之 訳)
近代理論経済学とマルクス主義経済学 : 現代経済学と価値論
(理論社編集部 編)
【未読品】 図説・円と日本経済 : 幕末から平成まで
(湯本豪一 著)
公共事業と経済学 近代経済学古典選集第2期
(デュピュイ著 栗田啓子訳)
経済学の領域と方法 近代経済学古典選集 第2期 10
(J・N・ケインズ/上宮正一郎訳)