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カフカ生誕140年 - 実存主義、シュルレアリスム
特集406 カフカ生誕140年 - 実存主義、シュルレアリスム(2023年10月10日〜2023年10月27日 ホーム掲載)
1883年7月3日、フランツ・カフカ(Franz Kafka)生誕。チェコ出身の小説家。代表作の「変身(Die Verwandlung)」(1915年)は90ページ程度の短編だが、かなりのインパクトで記憶に残っている。アルベール・カミュの「ペスト(La Peste)」(1947年)とともに代表的な不条理文学の一つ。自分がある朝目覚めると、巨大な害虫になっていて、その後の家族との顛末が描かれる。カナダのキャロライン・リーフ(Caroline Leaf)監督による「ザムザ氏の変身(The Metamorphosis of Mr. Samsa)」(1977年)は、ガラス板の下から光を当て、砂で描くライブアートのようなアニメーションで、作品のムードに合っているのがとてもいい。未完の長編「審判」「城」「失踪者」を始めとする遺稿は、死後、友人マックス・ブロートによって発表、再評価され、実存主義的見地から注目されたとのこと。実存主義とはつまり、現実に存在することは、本質に先立っていて、この本質と現実の間の問題をどう解決していくかなどが大きなテーマとのこと。不条理は、現実をより際立たせるということかも。
書籍一覧
Kafka : die frühen Jahre
(Reiner Stach)
カフカの恋人ミレナ
(M.ブーバー=ノイマン 著 ; 田中昌子 訳)
カフカのプラハ
(クラウス・ヴァーゲンバッハ 著 ; 須藤正美 訳)
フランツ・カフカ : ユダヤ人のプラハ
(Egmont Helmel 著 ; 有賀健 編)