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古書、古本の世界 - 貴重な古書籍、資料、書画
特集411 古書、古本の世界 - 貴重な古書籍、資料、書画(2023年12月5日〜2023年12月20日 ホーム掲載)
神田村。東京都千代田区神田神保町が本の街になるのは明治初期頃。江戸が東京になったころ、書店は日本橋界隈に集中していた。江戸時代火除け地や大名・旗本屋敷跡に開成学校、東京英語学校、学習院など多くの学校が建てられたことから、学生が多く集まり教科書を中心に、本の需要が高まったことで、本屋街へと成長した。神田神保町が世界的にも書籍流通の特別なエリアなのは、店舗が集まっているだけではなく、出版社、取次、印刷所など、本の製作から流通まで、すべてが集中していることが世界的にも珍しいと思う。その地域コミュニティは、リモート全盛の今も健在のようだ。わが組合加盟店だけでも、およそ120軒の古書店が並ぶ神田神保町の一角は、第2次大戦時の東京大空襲でも被害を受けることがなかった。作家の司馬遼太郎は、親日家のロシア人セルゲイ・エリセーエフがマッカーサーに空爆をしないよう進言したと著書の中で書いている。ただ、いくらハーバード大卒で、日本学を学んだ方にせよ、ひとり進言しただけで、空襲は免れられるものなのか。2016年公開、金高謙二監督のドキュメンタリー映画「ウォーナーの謎のリスト」では、セルゲイの真実を突き止めるため調査を開始、すると日本の文化財を守るために151カ所に及ぶ保護リストを作成し尽力したアメリカ人、ラングドン・ウォーナーの活躍にたどり着く。さて真実はどうだったのか。。
書籍一覧
一古書肆の思い出 5冊揃 1.修業時代、2.賈を待つ者、3.古典籍の奔流横溢、4.激流に棹さして、5.賑わいは夢の如く
(反町茂雄)