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明六雑誌150年 - 様々な雑誌、雑誌の世界
特集428 明六雑誌150年 - 様々な雑誌、雑誌の世界(2024年5月14日〜2024年5月29日 ホーム掲載)
1874(明治7)年4月2日、明六雑誌創刊。翌年11月14日停刊。全43号。 明六社の機関誌で、明治維新期の日本における学術総合雑誌。学会誌の先駆けとなり、文明開化下の日本に大きな影響を与えた。明六社は、1873(明治6)年に結成され、西欧のように文明国という世界標準に追いつくために活動した啓蒙家が集まった。核となったのは森有礼、西村茂樹で、津田真道、西周、福澤諭吉など当時を代表する知識人たちが参加した。西欧的近代化を図る中で、同様に新たな新聞や雑誌が次々と誕生したが、自由民権運動が高まると、それを苦々しく思っていた薩長藩閥政府は、讒謗律(ざんぼうりつ)と新聞紙条例を出す。政府のメディア規制を前にして官僚兼啓蒙者は啓蒙者たり続けられるのかという問題は、明六社同人間の温度差を浮き彫りにし、翌年、箕作秋坪や福澤の提案をきっかけに、わずか2年足らずで停刊となった。ただ、短期間の発行であったにもかかわらず、新思想の紹介は、それまで無かった概念を言葉にする必要があり、この雑誌に由来し一般的になった新語彙・訳語は多かった。議会、資金、広告、保健、工場、申告などの和製漢語や、もともとの意味を転用した国債、哲学、社会などの言葉も一般化していった。
書籍一覧
探偵雑誌 The LOCK ロック 第1巻第2号(昭和21年3月)~第4巻第3号(昭和24年8月・夏の別冊) 12冊1括
(成田義雄編)