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アメリカ公民権法成立60年 - 人種差別、権利問題
特集436 アメリカ公民権法成立60年 - 人種差別、権利問題(2024年7月29日〜2024年8月13日 ホーム掲載)
1964年7月2日、公民権法(Civil Rights Act of 1964)成立。米国内の人種差別を禁止する法律。1863年の奴隷解放宣言によって奴隷制度は廃止されたが、南部諸州の隔離政策などで差別は続いた。南部再建期以降の黒人差別の法的・政策的枠組みはジム=クロウ法と言われている。黒人ドライバーのためのグリーン・ブック(The Negro Motorist Green Book)は、1936年から66年まで自動車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行された旅行ガイドブック。当時公然と差別的措置が行われ、白人経営のガソリンスタンドでは給油を拒否、整備工場では修理を断られ、宿泊や食事の提供を拒まれ、暴力や有色人種お断りの「サンダウン・タウン」から強制排除を受けていたりした。黒人も使える施設を紹介し「ジム・クロウ時代における黒人旅行のためのバイブル」であった。2019年アカデミー賞受賞作、ピーター・ファレリー監督「グリーンブック」は、そのただ中の1962年、ジャマイカ系ピアニストとイタリア系運転手兼用心棒が、グリーンブック片手に8週間のコンサートツアーでアメリカ中西部とディープサウスを回る話。実話にインスパイアされた作品であり、ドライバーのトニー・ヴァレロンガの息子たちが脚本を手掛けている。
書籍一覧
アメリカ南部黒人地帯への旅 黒人運動の源流をたずねて
(上杉忍)
ワーグナーと人種差別問題
(ゴットフリート・ワーグナー 著 ; 岩淵達治 訳)