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2·26事件90年 - 歴史、事件の記憶
特集503 2·26事件90年 - 歴史、事件の記憶(2026年3月16日〜2026年4月3日 ホーム掲載)
1936(昭和11)年2月26日、2・26事件発生。積雪に覆われた東京で、陸軍の青年将校らに率いられた約1,500名の兵士が決起した。彼らは「昭和維新」を掲げ、内閣総理大臣官邸や警視庁などを襲撃。斎藤実内務大臣、高橋是清大蔵大臣ら政府要人を暗殺した。岡田啓介首相は奇蹟的に暗殺を免れた。事件後、混乱する政治情勢に大きな影響を与えることとなった。昭和天皇は断固としてこれを拒絶、決起した将校たちは、天皇を中心とした独裁体制を望んでいたが、昭和天皇は「朕(ちん)が最も信頼する老臣たちを殺傷するのは、朕の首を真綿で締めるに等しい行為である」と激怒した。自ら近衛師団を率いて鎮圧に当たるとまで宣言した天皇の断固たる姿勢が、迷走していた陸軍首脳部を動かし、反乱軍を「逆賊」と定義する決定打となった。「今からでも決して遅くないから、直ちに抵抗をやめて原隊に帰れ」という呼びかけの「兵に告ぐ」というラジオ演説、飛行機からは「勅令が発せられ、「下士官兵は速やかに帰隊せよ」というビラが撒かれた。これにより兵士たちの戦意は喪失し、事件は発生から4日目にして終結。だが軍部の政治への発言力は決定的なものとなり、日本は本格的な戦時体制へと突き進んでいくことになる。1980(昭和55)年に公開された森谷司郎監督作「動乱」は主演高倉健。妻役が吉永小百合。歴史的事件の哀しみや、青年将校と彼を取り巻く人々の葛藤が感動的に描かれている。
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