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卒業、新入学、新入社 - 新生活のスタート
特集505 卒業、新入学、新入社 - 新生活のスタート(2026年4月3日〜2026年4月13日 ホーム掲載)
3月、4月は別れと出会いが交差する人生の大きな転換期である。卒業式、入学式、入社式。これらの行事は、単なる形式的な儀式ではなく、新たな自己へと脱皮するための重要な通過儀礼でもあると思う。卒業式の象徴である「第2ボタン」にまつわる風習は今も変わらないようで、卒業式の日に、女子生徒が意中の男子生徒の学ランの第2ボタンをもらうという文化は、昭和から平成にかけて定着した。一説には、戦時中に兵士が戦地へ向かう際、形見として最も心臓に近い第2ボタンを大切な人に贈ったことがルーツとも言われている。デジタル化が進み、制服の形態も変化しつつある現代においても、思い出を「形」として残したいという若者たちの純粋な感情は、時代を超えて受け継がれている。社会人としての門出、入社式における「対面」の価値も再認識されているようで、近年、DX(digital transformation、デジタル変革)化やコロナパンデミックの影響により、オンラインでの研修や入社式が一般化したが、一方で同じ入社年である「同期」と同じ空間を共有することの重要性が見直されているようだ。新入社員が一堂に会し、直接顔を合わせて抱負を語り合うことは、組織の一員としての自覚を育むだけでなく、生涯の友やライバルを得る貴重な機会となる。デジタルネイティブ世代であっても、手触りのあるコミュニケーションが新生活の不安を解消し、前進する原動力となる事実は変わらないようだ。
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