特集524 山の日 - 登山・高山植物・冒険記(2026年8月4日〜2026年8月19日 ホーム掲載)
毎年8月11日は山の日。2016(平成28)年から施行された国民の祝日。国土の約7割を山地が占める日本において、山は古くから信仰の対象であり、自然の威厳を感じさせる存在であった。明治時代、英国人技師ウォルター・ウエストンらが日本の山々の魅力を世界に紹介し、「日本アルプス」の名を広く定着させた。また、山は人間の限界と未知領域に挑む「冒険記」の舞台として、不朽の文学やドキュメンタリーを生み出してきた。世界初の五大陸最高峰登頂者であり、冬のデナリ(マッキンリー)への単独登頂など過酷なチャレンジに人生を捧げた冒険家・植村直己の足跡はその象徴である。植村直己による「極北に駆ける」(1974(昭和49)年文藝春秋社刊)をはじめとする極地探検記、さらには世界最高峰エベレスト(サガルマータ)やK2を目指したクライマーたちの壮絶な手記は、読者に自然の圧倒的な脅威と、それに立ち向かう人間の精神力の崇高さを語っているようだ。新田次郎著「孤高の人」(1969(昭和44)年、新潮社刊)、井上靖著「氷壁」(1957(昭和32)年、新潮社刊)といった名作は、自然の圧倒的な脅威とそれに立ち向かう人間の精神の気高さを今なお伝えている。現代でも、本格的なアルパインクライミングから、日帰りのハイキング、山小屋でのグルメやソロキャンプ、さらには高山植物を巡るトレッキングに至るまで、山の楽しみ方は広がり続けている。
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