特集527 満州事変95年 - 近代史の光芒(2026年9月3日〜2026年9月17日 ホーム掲載)
1931(昭和6)年9月18日、奉天(現瀋陽)郊外の柳条湖で満州事変発生。関東軍の密かな策動によって引き起こされた衝突は、傀儡国家「満州国」の建国、日本の国際連盟脱退という孤立への道を決定づけた。国際社会の激しい批判や政府の方針を他所に、戦線の拡大を進めた関東軍の強硬姿勢は、当時の新聞やラジオといったメディアによってリアルタイムで報道された。号外が飛び交う新聞紙面やグラビア雑誌は戦況の好転を煽り、大衆はその熱狂に酔いしれた。さらに、満州という異郷の地が抱えた理想と現実の落差は、文学や映画、ポップカルチャーといったメディアを通じて多彩な記憶として刻まれた。「五族協和」「王道楽土」というスローガンのもと、新天地を目指して海を渡った満開の開拓団や技術者たち。彼らが夢見たフロンティアの光景は、戦前の映画や満州映画協会(満映)が残した映像、流転の運命を描いた数々の文学作品や手記として記録された。戦後になり、山崎豊子の「大地の子」や藤原ていの「流れる星は生きている」などの名作文学、あるいは戦後の手記や記録集を通じて描かれた悲劇や逃避行の記録は、国家の野望に翻弄された個人の苦難を歴史の教訓として今に伝え続けていると言えよう。
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