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ベレンコ中尉亡命事件50年 - 東西冷戦
特集530 ベレンコ中尉亡命事件50年 - 東西冷戦(2026年9月17日〜2026年10月7日 ホーム掲載)
1976(昭和51)年9月6日、ミグ25事件(ベレンコ中尉亡命事件)発生。ソ連空軍のヴィクトル・ベレンコ中尉が、当時最新鋭の超音速迎撃戦闘機ミグ25で、函館空港へ強行着陸した。超低空飛行で領空侵犯したミグ25を、自衛隊のレーダーは見失い、着陸を許してしまった。当時の低空侵入に対する防衛能力の脆弱性を浮き彫りにし、スクランブル発進したF-4EJファントム戦闘機にも「撃墜(武器使用)」の明確な権限が存在しないという法の壁にも直面した。ソ連側は機体とベレンコの即時返還を強く要求し、爆破・奪還工作の可能性もある中、自衛隊は函館空港に高射機関砲を配置し厳重警戒を展開。米軍はソ連の最高軍事機密を求め専門チームを派遣。機体を茨城県の百里基地へ移送。徹底的な解体調査によって、「ソ連の軍事技術の実態」が解明された。その後、機体は組み立て直されることなく、解体されたまま木箱に詰められたパーツの状態で11月にソ連の貨物船へ返還された。日本政府は、函館空港の施設破損修復費や移送・解体費用など約1,000万円の請求書をソ連側に突きつけるという、強硬な姿勢を貫いた返還劇として冷戦史に刻まれる。ベレンコはアメリカへ渡り、大統領の特別署名によってアメリカ市民権を獲得。自国では「国家叛逆者」として死刑判決を下され、暗殺の恐怖と隣り合わせの生活を送りながらも、新たな家庭を築き、米空軍の技術アドバイザーとして安全保障に貢献。2023(令和5)年にその生涯を閉じる。
書籍一覧
友愛のポリティックス 全2冊揃い
(ジャック・デリダ 著 ; 鵜飼哲, 大西雅一郎, 松葉祥一 共訳)