日本の古本屋ではさまざまなテーマの辞典・辞書を購入することができます。古い辞典・辞書には、その書籍の中にしかない情報を得ることができるという実用的な使い方はもちろん、歴史的な価値がある商品もあります。
ここでは古書としての辞典・辞書を通してどういった活用方法があるかをまとめました。
===目次===
1. 歴史的価値の発見
1.1 言葉の進化をたどる
1.2 文化的背景・時代的背景の理解
1.3 言葉の起源や借用
2. 書籍としての魅力
2.1 デザイン的な魅力
2.1.1 装丁とデザインの魅力
2.1.2 字体やフォントと印刷技術
2.1.3 イラストと挿絵
3. 教育・学習のための辞書
4. 古い辞典・辞書の愉しみ
4.1 探究心の刺激
4.2 時間を超えたつながり
4.3 アイデアを得て、自分からも引き出す
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1. 歴史的価値の発見
1.1 言葉の進化をたどる
時代ごとに言葉の種類や定義は変わっていきます。古い辞典・辞書は言葉の意味や用法を確認するために利用することができます。
変遷する言葉の表記、意味だけでなく、発音などについても調べられる書籍もあります。
また、廃語となった言葉を知ることや、意味を調べることも古い辞典・辞書の活用方法の一つです。
1.2 文化的背景・時代的背景の理解
辞典・辞書も時代の社会的・政治的影響を受けます。その時代の辞典・辞書から感じられる時代の空気を感じることは貴重な体験になります。
掲載されている言葉やその説明から、文化的風潮も感じられるでしょう。特に流行語については特にその時代を象徴するものです。
また、同じ辞書の複数の時代の辞典・辞書を比較することで編集の背景や歴史を感じることもできます。
1.3 言葉の起源や借用
言葉を研究されている方や調査されている方にとっては、辞典・辞書を研究対象として利用することになると思います。
複数の辞書を、時代別に比較することによって「言語間の借用」を研究することもできます。
・言語間の借用とは?
言語間の借用とは、ある言語が他の言語から単語や表現を取り入れることです。これは文化的な交流や接触によって起こります。例えば、英語は多くの言語から単語を借用しています。日本語からは「寿司(sushi)」や「津波(tsunami)」などが英語に取り入れられています。逆に、日本語も多くの外来語、特に英語からの借用語を取り入れています。例えば、「コンピュータ」や「テレビ」などです。このように、言語間の借用は言語を豊かにし、異なる文化間のつながりを示しています。
また、標準的な言葉だけでなく方言についても辞典・辞書を通して、種類や歴史的経緯を調べることもできます。
2. 書籍としての魅力
2.1 デザイン的な魅力
2.1.1 装丁とデザインの魅力
実用的な調べ物としての使い方だけでなく、辞典・辞書の魅力はその装丁やレイアウトにもあります。
一般の書籍よりも高価な辞典・辞書は装丁にも独特のこだわりと魅力があります。
またレイアウトについても大量の情報を詰め込んでまとめている辞典・辞書のレイアウトデザインは美しさがあります。
時代ごとの変遷の違いを知ることも楽しみの一つです。
2.1.2 字体やフォントと印刷技術
この数十年で印刷技術は大きく変遷しました。また字体やフォントも時代によって全く異なります。
字体やフォントが好きな人にとって大量の文字を格納している辞典・辞書は格好の読み物となります。
また印刷技術も時代によって楽しむことができます。インクの乗り方、印刷の手法、紙質などその時代ならではの雰囲気を感じることができます。
2.1.3 イラストと挿絵
書籍によってはイラストや挿絵が入っているものもあります。魅力的なイラストがテーマごとに細かく記載されている辞典・辞書は、イラストを見ているだけでも楽しめます。
2.3 コレクションとしての魅力
辞典・辞書をコレクションされている方もいらっしゃいます。特定の出版社、テーマの書籍を出版時期や版ごとに集めていくことも楽しいものです。
希少性がある書籍や、状態や版によって希少性が生まれる書籍があります。
書籍の状態については販売している書店に確認して購入してください。
3. 教育・学習のための辞書
辞典・辞書は教育や学習のためのツールとして利用されますが、特に言語学習をする際には必須です。
単純に言語学習をする際に高価な新品を購入するのではなく、安価になっている少し前の中古品を購入するためにも日本の古本屋はご利用いただけます。
このような方には、下記のような利用方法で辞典・辞書を購入いただいています。
・歴史的文脈での語彙学習
・古文書の解読技術
・多様な言語表現の探求
・文学研究への利用
・社会科学の中での言語の調査
・学校教育での教材としての活用
・生涯学習と自己啓発
4. 古い辞典・辞書の愉しみ
4.1 探究心の刺激
古い言葉、物事に触れることは自分の探究心を刺激することになります。
今使わない知識であっても知識と触れることで自分の中に蓄積されていくことは森温、何より新しい知識と出会うことは好奇心が刺激されて楽しいことです。
未知の単語や表現を発見することや、言語の謎解きをしてくような楽しみ方もできます。
4.2 時間を超えたつながり
現代の言葉ではなく、古い言葉と出会うことで過去と現代を繋ぐための知識を得ることができます。
それは歴史的文脈を知ることにもなりますし、その行動は文化的継承であるとも言えます。
4.3 アイデアを得て、自分からも引き出す
これまでの知識の積み重ねの結晶でもある辞典・辞書の情報を自分の頭の中に入れることで、自分の中の知識が紐づいて新しい考え方を発見することができるかもしれません。
新しい創造的インスピレーションの元にもなりますし、今まで表現できなかったことを具現化する補助になることもあります。