■■■======================================================■■ ■ 。.:*゜・☆*゜日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。 。.:*゜・☆*創 刊 号・*:.☆. ========================================================== ◆INDEX◆ 1.相場の謎を解く-古書籍の市場-東京古書組合広報部 2.古本屋のエッセー 【最後に古書店情報を掲載しています】 ========================================================== 日本の古本屋(=全古書連)から、最初のお便りを申し上げます。 皆さんも、そろそろお正月気分も抜けたころと思いますが、 お休み中はいっぱい本を読みましたか。 私のお店では、2日から営業を開始しました。 でもその日は本の買取はなく、3日になって数人が売りに来てくれました。 5日には最初の宅買い(お客さんの家まで本を買い取りに行くこと)をして、 6日には最初の市場に顔を出しました。 初市なのでお茶会に来て行くような着物を着ていったら、 みんなに笑われてしまいました。 (汚れやすいので、ほとんどの人は作業着のようなものを着ています。) 今日は、その「市場」についてお話します。 皆さんは古本に市場があるのをご存知ですか。 本を売りにいらしたお客様が、「古本の値段はどうやって決まるのか」 という質問をされることがあります。 大切に持っていた本の価値をこの本屋はわかってくれるのかと 不安なのかもしれません。 でも、その値段は個々の本屋が勝手に本の価値を判断して 決めているわけではありません。 全古書連加盟の古本屋ならば「相場です」と答えるでしょう。 その「相場」が作られる場所こそ市場です。正しくは「交換会」と言いますが、 全古書連加盟業者だけが参加できるオークションや入札会です。 東京では神田をはじめとして5箇所の常設会場があります。 東京以外にも、ほぼ各県に一つの割合で古書組合があり、 おのおのが市場を主催しています。 特に東京では、週末をのぞく毎日市場が開催され、 全国の業者が活発な取引を行っています。 市場には多くのプロが集って、お客様から仕入れた本を持ち寄り、 またお客様に売りたい品物を手に入れて帰ります。 そうして鑑定眼を鍛え、情報を交換し合っているわけです。 市場があるおかげで、店ではあつかわない分野の本も買い取りできるし、 品揃えしたい分野の本を集めることができます。 たとえば、文学を専門にしている書店が理工書を買い取った場合、 自分の店ではあまり売れないので、市場に持っていきます。 一方、他の書店が出品した文学書を買ってきて店に置きます。 こうして、古書店の、品揃えにおける「専門性」がたもたれ、 買取においては「総合性」が発揮できるわけです。 「市場」は全古書連の活動の中心です。 市場を開催するために全古書連があるとも言えます。 =========================================================== ■古本屋のエッセー■ 古書組合内部機関誌「古書月報」に掲載の 玉英堂書店 斎藤良太さんによる『架空の寺山修司全集』と 古書サンエー 山路和広さんによる 『世界で最も偉大なるジャンキーとポルノの帝王の物語』を一挙公開。 若手古書業者による、エッセイ二本立て、お楽しみください。 『架空の寺山修司全集』 『世界で最も偉大なるジャンキーとポルノの帝王の物語』