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日本古書通信掲載記事 本棚を作ってみよう

本棚を作ってみよう

名古屋・山星書店 山田 康裕

http://www2.starcat.ne.jp/~yamabosi/

 前々から物置場としてあまり活用していない部屋を整理して、本棚を置き倉庫としてうまく使いたいと思っておりました。しかし長いこと市販の本棚を見て回りましたが不思議と使える本棚が売っていない。これがまったく不思議な話で、ヤフーオークションのカテゴリーで本棚を見ると九〇〇〇点以上出てくるが、全て目を通しても無駄でした。まず棚板のほとんどがプリント化粧板と呼ばれるスカスカの板であり強度の面でかなり不安がある、また奥行がありすぎるのがほとんどで30センチの奥行に14センチの四六判の本を収めると無駄でしょうがない。プリント化粧板さえ我慢すれば高さ180センチ奥行22センチ、棚板を1・5センチピッチで可動できる本棚も売ってはいるが真ん中の棚板は動かす事ができないのがほとんどで、きっちり四六判、菊判のサイズに合わせて組み上げる事はできない。

 どうにも我慢できないのでこれから長く使う物だし、多少面倒でも自分の使いやすい物を自作してみようと思いました。サブロク板(910×1820×21ミリ)をカットして作るため高さ1820ミリ横(棚板)910ミリ奥行220ミリの外枠な感じはすぐに決まりましたが、中身の棚板の間隔は難しい。四六判がうまく入る21センチの間隔ばかりで棚板を組んでいくと菊判、大判の本が入らないし、大きめに間隔を取っていくと本来の目的でない無駄ばかり生じる。かなりの長考の末、四六、菊、大判の割合を3:4:1で決めました。本当はもう少し菊判の割合を増やした方が良かったのですが側板(1820ミリ)の都合上うまく割り振りができませんでした。

棚板の厚み21ミリ×8枚+四六判の入る間隔210ミリ×3+菊判入る間隔240ミリ×3の残り302ミリが大判を入れる棚になります。別に作っておいた菊判の入る棚を上に載っける形で完成です。設計図が完成したので早速近くのホームセンターに行ってみると、サブロク板21ミリのランバーコア材というものが三五〇〇円ぐらいで売っていました。今にして思えば、すぐ隣に売っていたシナランバーコア材(四五〇〇円ぐらい)の方が良かった気がします。ランバーコア材ですと表面がベニヤに近い感じなので塗装を終わった後でもザラザラした手触りが残り、またカットの断面からベニヤがくずれて木屑が出てきます。

シナは表面がさらさらしているのでカット面さえうまく処理をすればニス等の塗装がなくても使えたかもしれません。カットもホームセンターでやってもらいましたが、これがなかなか良く20枚に1枚ぐらい1ミリずれているぐらいの正確さでした。後はビス、ボンド、ニスを買って、鉛筆で正確にけがいた側板に棚板を万能ビス(48ミリ)とボンドで留めていき、ニスを塗って完成させました。13メートルぐらいの壁を本棚で埋めるのに150枚もの棚板と30枚近くの側板を作り700ヶ所以上ビスで留める大変な労力がかかりました。  しかし、最近の仕事のメインであるパソコンと睨めっこしているよりかは遙かに楽しく作業することができた気がします。なにせ本のための本棚ですしね。その本棚を1ミリ単位まで考えて作れたのは古本屋として良かったと思います。結構楽しい物なのでみなさんも一度自作の本棚にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

日本古書通信社:http://www.kosho.co.jp/kotsu/

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