川合玉堂 [ほか画],呉市立美術館, 日本経済新聞社 編、日本経済新聞社、1990、159p、28c・・・
ごあいさつ
このたび、川合玉堂、児玉希望、奥田元宋画伯の三代にわたる風景画の系譜を展観する『風景画三
代の系譜 玉堂・希望・元宋展』を開催することになりました。
玉堂、希望、元宋画伯は連綿と続く近代日本画の流れの中に、風景画の系譜を築いた代表的な作家
です。 川合玉堂画伯は、円山四条派、狩野派を学んで、卓越した自然観照のもとに両派を融合、穏健
な風景画の道を開きました。児玉希望画伯は玉堂に師事し、その画風に大和絵の研究を加えたのを手
始めに、歴史風俗、花鳥画など幅広い画業を展開しました。奥田元宋画伯は希望門下で学び、戦中の
郷里への疎開をきっかけに風景画に取り組み、独特の心象風景で新しい風景観を確立しました。 この
ように各画伯は、師の作風を受け継ぐ一方で、自らの感性を織り込み、それぞれの画風を打ち立て、
近・現代日本画壇隆盛の一翼を担いました。
本展はこの三巨匠の代表作を精選し、その軌跡を展観するとともに、受け継がれていく日本の風景
開催にあたり、ご愛蔵の作品を快く出品くださった美術館、ご所蔵家の皆様、ならびにお力添えい
ただいた関係各位に対し、厚くお礼申し上げます。
会期・会場: 1990年6月21日~7月3日 日本橋高島屋ほか ほぼ良好