落合淳思 著、筑摩書房、2023、352p、46判
殷の紂王の“酒池肉林”、呉王夫差と越王句践の“臥薪嘗胆”、秦の始皇帝の“焚書坑儒”…、『史記』にも記され、広く知られる古代中国の説話は真実か?もちろん、これらは後世の創作である。本書では、信頼できる資料に拠って、これらの虚構を検証すると共に、貴族制が専制君主制に移行した春秋・戦国時代の社会制度、勢力バランス、法治システムを浮彫りにする。説話を検証し、中国古代史をいきいきと再構築してみせる意欲作。
目次
古代中国の説話
第1部 上古の時代(三皇五帝―禅譲・放伐
夏の禹王―九州の治水 ほか)
第2部 春秋時代(斉の管仲―衣食足りて礼節を知る
楚の荘王―鼎の軽重を問う ほか)
第3部 戦国時代・秦(魏の恵王―五十歩百歩
蘇秦と張儀―合従連衡 ほか)
終章 古代中国史の研究方法